「布川事件」再審公判 桜井昌司さんと杉山卓男さん、あらためて無罪主張の意見陳述
1967年、茨城県で男性が殺害され現金が奪われた「布川事件」の再審公判が、水戸地方裁判所土浦支部で開かれ、弁護側が最終弁論を行った後、無期懲役判決を受け、仮釈放された桜井昌司さん(63)と杉山卓男さん(64)が、あらためて無罪を主張の意見陳述を行い、結審した。
10日の弁論で、弁護側は「検察側は証拠開示請求を拒絶し、真実を語り無罪を指示したはずの多数の証拠を闇に葬った」、「桜井さんと杉山さんに、完全無罪の判決を宣告されることを求める」などとの弁論を行った。
最終陳述で、桜井さんは「この43年間、わたしは真実を語ってきた。わたしは殺していない、無実です」などと主張し、声を詰まらせる場面もあった。
また、「警察官・検察官・裁判官の行為を無批判に免罪としてきた歴史が、冤罪(えんざい)をつくる原因。わたしはその罪と責任を訴えたい」と、裁判長や検察官の方を見て述べた。
また、杉山さんは「やってもいないのに、43年余りも犯人にされているわたしたちの苦しみを、わかってください」と訴え、裁判は結審した。
判決は、2011年3月16日に言い渡される予定。
(12/10 22:27)