(2010年11月18日放送)
「脱皮の浅澤」…間違えました、「日本の住宅」というテーマで、江戸時代から現代まで、住まいの変遷を辿った「ブラタモリ」、いかがでしたでしょうか。
ロケの最後、タモリさんに一番印象に残った家はどこか伺ったところ、「長屋」というお答えでした。家族4人で住むにはこの広さがちょうどいい、壊れたら直せばいい、何かあったら引っ越せばいい、という、若いご夫婦の“軽やかな考え方”に感心されていました。私も、やはり「長屋」が印象深かったです。細い路地からは、ずっとお子さんたちのかわいらしい笑い声が聞こえてきて、この家は、家族の距離をより縮めてくれる場所なんだなぁ、と思いました。ご近所と、お醤油やお味噌を貸し借りする生活、鍵をかけなくてもいい暮らし、すごく素敵でした。
何軒もお宅を見ていくと、かつて住んでいた家のことが色々浮かんできます。タモリさんの“団地とチーズ”のように、記憶の糸を手繰り寄せる何か、みなさんにもありましたでしょうか。私は今住んでいるのが6つ目の家(部屋)ですが、やっぱり思い出深いのは、子どもの頃過ごした最初の家。「うちの台所の床は何でこんな色なんだろう」と不満だった黄色とオレンジの幾何学模様みたいなリノリウムの床や、登り棒の練習にちょうどよかった階段の柱のことや、父が作ったポストの、木がささくれていた感じや、本当に何でもないことをこの撮影をしながら思い出しました。
来週は、「鷹狩り」をテーマにぶら歩きです。片肌を脱いだ将軍が馬にまたがりさっそうと弓を放つ・・・時代劇のワンシーンが浮かびますが、もはや“狩り”という言葉では収まりきらない、スケール、政治的な思惑。江戸時代、徳川幕府に、これまで以上にディープにせまっています。どうぞご覧ください。