暴力団事件 裁判員裁判とせず
K10057779111_1012102008_1012102013
NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

暴力団事件 裁判員裁判とせず

12月10日 19時22分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

おととし、福岡県中間市で、暴力団員を射殺したとして、同じ系列の暴力団員2人が起訴された事件で、福岡地方裁判所小倉支部は「暴力団が裁判員や候補者に危害を加えるおそれがある」として、2人の裁判を裁判員裁判としない決定をしました。

この事件はおととし9月、福岡県中間市の住宅で、指定暴力団工藤会系の暴力団員が拳銃で撃たれて殺害されたもので、同じ系列の暴力団員2人が殺人などの罪に問われています。2人の裁判は裁判員裁判の対象でしたが、福岡地方検察庁小倉支部が先月17日付けで裁判員裁判としないよう請求し、福岡地方裁判所小倉支部は10日、この請求を認め、裁判員裁判としないで裁判官だけで裁判を開く決定をしました。この理由について福岡地方裁判所小倉支部は「検察が予定している証人に接触するなど、暴力団が裁判の妨害を始めている」としたうえで「裁判でも暴力団が裁判員や候補者に危害を加えるおそれがあり、市民が裁判に参加することは困難だ」としています。裁判員法では、裁判員の生命や財産に危害が及ぶおそれがある場合には、裁判員裁判としないよう、検察庁や弁護士が裁判所に請求することができると定められています。最高検察庁によりますと、裁判所が裁判員裁判としない決定をしたのは全国で初めてだということです。これについて、福岡地方検察庁小倉支部の古賀正二支部長は「被告が所属する暴力団の特異性などを総合的に判断した結果、裁判員裁判からの除外を請求した。今回の判断は、検察官の請求について裁判所が適切に判断されたものと理解している」と話しています。