東京・世田谷区で一家4人が殺害された事件から今月末で10年になりますが、現場に残されたトレーナーに、染料の色むらを無くすためなどに使われるシリコーンオイルの成分が付いていたことが新たにわかりました。トレーナーからは粉末状の蛍光染料も検出されていることから、警視庁は、これらを仕事などで扱う人物が関わっている疑いもあるとみて捜査しています。
この事件は平成12年の大みそか、東京・世田谷区の住宅で、会社員の宮沢みきおさん(44)と妻の泰子さん(41)、長女のにいなちゃん(8)、長男の礼ちゃん(6)の一家4人が殺害されているのが見つかったものです。現場には、犯人の指紋や血液のほか、犯人が身に着けていたとみられるトレーナーやバッグなど多くの遺留品が残されていましたが、まもなく10年になる現在も解決していません。これまでの調べで、トレーナーやバッグに粉末状の蛍光染料が付着していたことが分かっていますが、トレーナーに、ほかにもシリコーンオイルと呼ばれる化合物の成分が付いていたことが新たに分かりました。シリコーンオイルは潤滑油や化粧品の原料などとして幅広く利用されますが、染料の色むらを無くしたり、演劇の舞台装置を作る際などの発泡スチロールの加工にも使われるということです。警視庁は、宮沢さんが事件の当時、企業のシンボルカラーを決める仕事をしていて、学生時代には演劇活動をしていたことから関連がないか調べるとともに、シリコーンオイルや蛍光染料を仕事などで扱う人物が事件に関わっている疑いもあるとみて捜査しています。