「人間活動に専念」するため来年以降の芸能活動休止を発表した歌手・宇多田ヒカル(27)がデビュー記念日となる9日、神奈川県・横浜アリーナでラストライブを開催した。国内でのライブは06年の全国ツアー以来、4年ぶり。この日をもって音楽活動を休止する宇多田は、冒頭から瞳を潤ませながらファンにしばしの別れを伝えた。
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最後の曲を歌い上げると、あふれそうな涙を押し戻すように顔を上に向けた。ふっと息を吐き、山口百恵さん(51)が引退したときのようにマイクをステージに置くと、最後まで涙をこらえ、笑顔のまま“最後のライブ”を締めくくった。
「今日は何を言ったらいいのか分からない時があるな…。別に引退するわけじゃないんだよ。契約も残ってるし。でも、ちょっとの間、お休みするからさ…」
「Automatic」で衝撃のデビューを飾ったのが12年前のこの日。さまざまな思い出が頭をよぎったのだろう、トーク部分では何度も言葉を詰まらせ、今にも泣きだしそうな表情を浮かべた。
デビューアルバム「First Love」が1000万枚を売り上げ、国内でのセールス記録を樹立するなど、トップアーティストとして活躍してきた。一方で、金銭感覚や生活スタイルは一般とかけ離れ「自分を見失いかけてる時期もあった」と活動を休止し、デビュー13年目を“人間活動の1年目”に決めた。ボランティア活動やアルバイトにも挑戦したいと話す。
ライブでは、デビュー曲から新曲まで12年間の歴史を総ざらいするように22曲を選曲。会場から愛称の“ヒッキー”コールを浴び「おばさんになってもヒッキーって言ってもらえるかな?よし、おばさんになったらライブやろっ!!」と再会を約束した。
アーティスト・ヒカルから1人の人間である光へ‐。宇多田の“第1章”は幕を閉じた。
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