世界獲りへ…佳菜子、連続ジャンプの難易度上げる

　フィギュアスケートＧＰファイナルの上位選手によるエキシビションが１２日、北京首都体育館で行われ、女子で３位に入った村上佳菜子（１６＝中京大中京高）らが出演した。日本人最上位で表彰台に上がった村上は来年３月に東京で行われる世界選手権の代表入りが有力で、３―３回転の連続ジャンプの難度を上げるプランが浮上した。自国開催の大舞台に向け、期待の新星がさらに進化する。

　表彰台に上がった大舞台から一夜明けると、１６歳のヒロインはもう未来のことを考えていた。村上はエキシビションに備えた午前の練習で、３回転フリップ―３回転トーループのコンビネーションにチャレンジ。今季初戦の中部選手権のフリーでは失敗したが「まだ分かんないですけど、入れて試合に出たい」と気合を入れた。ＧＰシリーズで跳んでいる３回転トーループの連続ジャンプより基礎点が１・２点アップする大技は、夢の世界一への武器になる。

　日本人最上位でファイナルのメダリストになったことで、日本スケート連盟の伊東フィギュア委員長が「大きなアドバンテージ」と言うように、来年３月の世界選手権代表入りが有力だ。調整時間が少ないため、２４日開幕の全日本選手権（長野）ではフリップ―トーループには挑まない予定。だが、山田満知子コーチ（６７）が「もともと今季のプログラムはフリップ―トーループを予定して作った」と話すように、今季終盤にはプログラムに組み込む可能性が高い。

　全日本選手権では、今季大不振で世界選手権の代表入りに崖っ縁の浅田真央と１０月のＮＨＫ杯以来の再戦となる。大会期間がクリスマスと重なっていることに「別に寂しくないです。彼氏がいるわけじゃないんで」と笑った村上は「お互いにいい演技ができたらいい」と憧れの先輩との対決に力を込めた。エキシビションではタンバリンと椅子を使った演技で観衆を魅了。飽くなき向上心を胸に、氷上のニューヒロインが世界の頂点への階段を上っていく。

　◆世界選手権の選考　男女シングルの日本の出場枠はともに「３」。代表は１２月の全日本選手権後に決定。（１）ＧＰシリーズ＆ファイナルの日本人上位３人（２）全日本選手権３位以内（３）全日本選手権終了時の世界ランクの日本人上位３人――のいずれかの基準を満たすことが条件。過去に世界選手権６位以内の実績があり、シーズン前半にケガなどがあった選手にも救済の可能性が残されている。

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