織田２位！４回転不発　２年連続Ｖ逸「悔しい」…フィギュア

　◆フィギュアスケート　ＧＰファイナル最終日（１１日、北京・首都体育館）　男子フリーを行い、前日のショートプログラム（ＳＰ）首位の織田信成（２３）＝関大＝がジャンプで２度転倒したものの、今季自己最高の合計２４２・８１点で２年連続の２位となった。優勝はパトリック・チャン（カナダ）。ＳＰ４位の小塚崇彦（２１）＝トヨタ自動車＝が３位に順位を上げ、バンクーバー五輪銅の高橋大輔（２４）＝関大大学院＝は４位に終わった。

　織田がつかみかけた「天下統一」の夢をあと一歩で逃した。最初に跳んだ４回転トーループで尻餅をつき、ジャンプでは最後のダブルアクセル（２回転半ジャンプ）でも着氷で足を滑らせて、まさかの転倒。「自分としては満足のいく演技ではなかった。昨年も２位で優勝できなかったので悔しい」。試合後は反省が口をついたが、銀メダルを胸に表彰台では笑顔があふれた。

　今季ＧＰ２戦はともにＳＰ首位発進も、フリーで逆転されて優勝を逃した。前日にＳＰで初めて成功させた４回転は「自分では回ったつもりだった」というが、２日連続の成功はならず。難易度が低い２回転半も失敗したことで「反省点はたくさんある。全日本で挽回したい」と、厳しく自己採点した。

　それでも激戦の日本男子で最上位をキープ。挑戦する姿勢が好演技を呼び込んだ。幼少から指導する母親の憲子さんは「今季は自分から挑戦しようとする姿勢が強くなった。４回転の成功率も上がっている。“一家のあるじ”としての自覚も芽生えたのでしょう」と成長に目を細める。

　大阪・高槻市の自宅では４月に結婚した夫人と、１０月１日に誕生した長男の信太朗くんがテレビ観戦で応援している。携帯電話の充電が切れ、ネット回線が不調なためテレビ電話の「スカイプ」も利用できないが、パソコンでメールをやり取りして力をもらっている。

　五輪で靴ひもが切れるなどお騒がせ続きだが、襟を正すきっかけもあった。今夏にテレビ番組の企画で元阪神の赤星憲広さんと対談。現役時代に何度も盗塁王を獲得した赤星さんの競技に向き合う姿勢に触れ、「とてもマジメな方。僕はいいかげんなので見習うところがあった」と刺激を受けた。

　全日本に向けては地元の関大で調整し、振付師と一緒にプログラムを微調整しながら滑り込む計画だ。「いいプログラムだねって言われるように滑りたい」。再び世界の頂点を目指し、勝ってかぶとの緒を締める。

　◆織田今季ＧＰシリーズ逆転負け
  ▽スケートカナダ（１０月・キングストン）　ＳＰは、２位に１・２８点差の首位を取ったがフリーは、冒頭の４回転ジャンプで手をつき、その後の３回転半も転倒。ＳＰ４位のチャン（カナダ）にフリー１位を奪われ、逆転優勝を許した。
  ▽スケートアメリカ（１１月・ポートランド）　ＳＰ首位からフリーで２位に転落。冒頭の４回転ジャンプを転倒した上、規定で３回しか跳べない連続ジャンプを４回跳ぶ「跳びすぎ違反」。ＳＰ２位の高橋がフリー１位を取り逆転Ｖ。

　

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