佳菜子表彰台！自己最高１７８・５９点　日本勢トップ！！…フィギュア

　◆フィギュアスケート　ＧＰファイナル最終日（１１日、北京・首都体育館）　女子フリーは、ショートプログラム（ＳＰ）３位につけた初出場の村上佳菜子（１６）＝中京大中京高＝が自己最高の１７８・５９点をマークし、３位で表彰台に上がった。来年３月の世界選手権（東京）の代表入りに前進した。ＳＰ４位の鈴木明子（２５）＝邦和スポーツランド＝は１７３・７２点で４位となり、ＳＰ５位と出遅れた安藤美姫（２２）＝トヨタ自動車＝は１７３・１５点で５位。アリサ・シズニー（米国）が今季世界最高の１８０・７５点で初優勝した。

　村上は腕を突き上げるポーズでフィニッシュすると、初々しい笑顔が広がった。首位とは２・１６点差。０５年の浅田真央（中京大）、０６年の金妍兒（韓国）に並ぶ史上３人目となるシニア転向１年目のファイナル制覇はならなかった。

　それでも５歳以上離れた安藤、鈴木を抜いて３位。天真らんまんな１６歳は「今季最高が出せてうれしかった。練習通りにできなかったのは、ちょっと悔しいけど、１つ失敗しているので当たり前かなと思います」。得点が出ると、山田満知子コーチ（６７）と抱きあって喜んだ。

　“姉”と慕う浅田真央（２０）＝中京大＝が不在のＧＰファイナル。村上はプレッシャーと闘い、乗り越え日本勢最上位としてメダルをつかんだ。

　ＳＰを終えて首位とは逆転可能な２・２９点差。年の離れた“お姉さん”との戦いも「プレッシャーはあまりない。自分も頑張ろうと思った」と物おじせず力に変えた。武器の２連続３回転ジャンプを冒頭で成功。スケートアメリカと同様、連続ジャンプで予定していた３回転フリップが１回転になるミス。とっさの判断で次の３回転に２回転をつけてカバーした。

　水玉のアイドル風衣装で臨んだＳＰからイメチェンし、ピンクと黒の衣装で映画「マスク・オブ・ゾロ」の世界を表現した。幼少の時に習っていた体操で培った柔軟性を生かしてしなやかに舞い、フリーは安藤に次ぐ２位の得点。２位とは０・０１点差の銅メダルだった。

　シニアに上がった今季、「真央２世」は本家をしのぐ活躍でトップ選手に仲間入り。それでも素顔はダンスと音楽が大好きな末っ子の甘えん坊だ。今大会の出発前、名城大４年の姉・友季子さんから激励の手紙をもらった。「特別なことは書いてないけど、カナの写真がプリントされて飛び出す感じ。お守りです」

　友季子さんも山田コーチの下でスケートを習っており、村上も姉の影響で始めた。姉は大学卒業でスケートをやめる予定だが「（姉と）一緒だから頑張ってこられた」。１０日に２２歳の誕生日を迎えた姉に、銅メダルが最高のプレゼントになった。

　日本女子勢では唯一メダルを獲得し、世界選手権（来年３月、東京）初出場に大きく近づいた。年末の全日本選手権（長野）で上位に入れば３枠の代表入りは確実。「自信を持って調子を上げて臨めば一番いい演技ができると思う」。ピチピチとはじけるような佳菜子スマイルで日本に凱旋する。

　◆村上　佳菜子（むらかみ・かなこ）１９９４年１１月７日、愛知・名古屋市生まれ。１６歳。５歳からフィギュアスケートを始める。０８ジュニアＧＰシリーズ初優勝。０９年ジュニアＧＰファイナル優勝。１０年世界ジュニア選手権、スケートアメリカ優勝。趣味は音楽鑑賞、ダンス。将来の夢はコーチ。身長１５８センチ、血液型Ａ。

　

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