廿日市市は10日、世界遺産の島・宮島への玄関である宮島口について、広島電鉄宮島口駅を現在より海寄りに移し、JR山陽線北に周辺駐車場へのアクセス道を建設することを柱とした整備案を公表した。3月に策定した港湾整備計画を基に固めた。整備案を受け、広島県は本年度中に宮島口を港湾指定する見通しだ。
現在、国道2号から桟橋前ロータリーや周辺駐車場へ延びる道路は広電宮島線の軌道と交差する。市は踏切が観光シーズンの混雑の一因になると判断。駅舎を海寄りに移し、道路を一部付け替えて交差を解消する。
一方、市は駐車場不足解消のため宮島競艇駐車場の活用を検討。国道2号から競艇駐車場や周辺の民間駐車場への進入を容易にするため、JR宮島口駅北と市道宮島口対厳山線を結ぶ新たな市道を整備する。JR宮島口駅から桟橋前に延びる県道厳島公園線を宮島への参道と位置付け、景観形成を図る。
宮島口は年間300万人を超す来島者が利用するが港湾指定を受けていない。桟橋はJR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船がそれぞれ所有。護岸の老朽化も目立つ。このため市は県の港湾指定を目指し2008年、「宮島口みなとづくり推進協議会」を設置。今年3月、旅客ターミナル建設などを盛り込んだ整備計画をまとめた。
【写真説明】宮島口港湾整備に関連して海寄りへの移設が打ち出された広電宮島口駅
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