学校教育で「朝鮮戦争は米国の挑発のせい」!?(下)
最も極端な例が、2005年に全羅北道任実郡の全教組の教諭が、中学生約180人を連れてパルチザン追悼祭に参加したケースだ。当時このイベントで、あるパルチザン出身者は、中学生たちの前で「帝国主義ヤンキーの軍隊を一人残らずやっつけよう」というスローガンまで叫んだという。
今年6月、全教組統一委員会のホームページに掲載された「6・15共同宣言10周年記念共同授業資料」には、授業用のボードゲームが含まれている。1970-80年代に流行した「ヘビすごろく」を応用して作られたこのゲームでは、28番「北朝鮮を敵だと考える」に着くと、ヘビに乗って6番「統一! まだ遠かった」に滑り落ちる。同時に掲載された中学校用授業資料には、「南北首脳会談を契機として北朝鮮が示している態度の変化は、北東アジアの国際秩序の緊張要因だった北朝鮮による大量破壊兵器の開発問題を平和的に解決する可能性を高めた」という部分もある。
06年に全教組本部が作成した「北朝鮮を正しく知る統一○×クイズ」には、こんな設問もあった。「金正日総書記は、金日成総合大学政治経済学科を卒業し、映画・演劇・音楽に非常に関心を持ち、卓越した能力を有する」(答えは○とされている)
全教組慶尚南道本部統一委員会が発行した「挑戦! 統一ゴールデンベル」公開資料には、「党と国家の指導理念にして政治・外交・経済・社会・文化・軍事など北朝鮮の全般を規律する統治理念となっている思想は何か」との問いに対し、「主体思想」という答えを引き出す問題もあった。
カン・ギュヒョン明知大教授は、「わたしが大学に通っていた80年代初めごろに流行していたのが、組織的な“韓国憎悪”と反国家主義だったが、こうした流れが長期にわたる熟成期間を経て、猛威を振っているわけだ」と語った。
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者