学校教育で「朝鮮戦争は米国の挑発のせい」!?(上)

小・中・高校で「契機授業」、偏向的な親北・反米の見方を紹介

中学生を連れてパルチザン追悼祭に出席も

 「6・25戦争(朝鮮戦争)は、米国の挑発のために北朝鮮が仕方なく侵入したもの」

 「わたしはデモに参加する際、“金日成(キム・イルソン)が好き、金正日(キム・ジョンイル)が好き”と歌いたかった。しかし、これを歌えば国家保安法に触れることになる」

 「非転向長期囚の方たちはすごい…」(話の途中で声を詰まらせ、目を赤くする)

 これは、ソウル自由教員組合が最近発行した『全教組(全国教職員労働組合)に奪われた学窓時代』に収められた、生徒たちの証言による、「全教組の教諭が授業中に口にした言葉」だ。

 小・中・高校の児童・生徒たちの「ぽっかり穴が開いた」安全保障に対する意識には、一部の全教組教諭らの偏向的視点が大きな影響を及ぼしている、というのが専門家たちの分析だ。特に、1999年に全教組が合法化されて以降、全教組の教諭たちが学校で実施してきた「契機授業」により、「親北・反米」の視点がそのまま児童・生徒たちに伝えられたとされる。全教組の合法化以降、高校を卒業した人は約472万人に上る。

 小・中・高校の全教員41万人の15%(約6万人)程度が属する全教組が、このような大きな影響力を行使できたのは、学生運動出身者たちが指導部の中心に布陣し、細かい内部組織網やほかの左派団体とのネットワークを通じ、社会問題が起きるたびに組織的な行動に出たからだ、と分析されている。

 過激な全教組の教諭は、▲南北分断の責任は米国と韓国にある▲北朝鮮は「敵」ではない▲統一は「韓民族同士」「自主的に」行わなければならない-という視点で児童・生徒たちを教育してきた。反共一辺倒の教育に対する反省から、教育の民主化・多様化に移行する過程で、親北的視点に対する拒否感がかなり消失した結果だった。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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