菅首相「有事の際、韓国への自衛隊派遣を検討」

在韓日本人の救出が目的、韓国政府は「実現の可能性ゼロ」

 菅直人首相が、有事の際、韓国に滞在している日本人を救出するため、自衛隊を派遣することについて、韓国政府と協議する意向を表明した。

 菅首相は今月11日の記者会見で、有事の際に自衛隊が、韓国に滞在している日本人の救出活動を展開するため、自衛隊の役割について定めている法律の見直しを検討すると共に、自衛隊の派遣について韓国と協議していく、と述べた。

 一方、東京新聞は12日、戦争などの緊急事態が発生した場合、日本政府が自衛隊の輸送機や輸送船をソウル、仁川、釜山へ派遣し、韓国に滞在している日本人(約2万8000人)を避難させる案を、すでに韓国政府に対し打診した、と報じた。しかし、同紙によると、韓国政府は「自衛隊の派遣が旧日本軍の侵略を連想させ、世論の反発を招くだけでなく、こうした協議を進めること自体が、戦争の危機に直面している、という誤解を生じさせる恐れがある」として、提案を拒否したという。

 これについて、大統領府のある幹部は、「日本が韓国に対し、そのような問題を持ち出したことはなく、協議したこともない。実現する可能性もゼロに近い話だ。菅首相がどのような意図でそんな話を持ち出したのかも分からない」と語った。また、韓国政府の関係者も、「自衛隊の役割は、日本国内でも論議を呼んでいる問題だ。(菅首相の発言は)突発的な発言に近い。安全保障をめぐる懸案はデリケートな問題なだけに、日本の首相の発言としては、あまりにも慎重さを欠いたものではないだろうか」と話した。

東京=車学峰(チャ・ハクボン)特派員

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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