「あかつき」は日本の惑星探査機としては1998年の火星探査機「のぞみ」に続いて2つ目。いずれも惑星の周りを回る軌道に投入するという入り口部分で失敗した。ただ、前回の教訓がまったく生きなかったわけではない。改善された点も多く、それが6年後の再挑戦の可能性を残した面もある。
「実際の宇宙で探査機を何度動かしたことがあるか、経験の差ですね」――。8日午後、文部科学省・宇宙開発委員会であかつきの失敗を報告したJAXAの稲谷芳文教授は、過去に何度も惑星探査に成功している米ロと比べてこう語った。
あかつきが逆噴射した時、地球からの距離は約6000万キロメートル。通信には片道3分半もかかる。しかも探査機は直後に地球から見て金星の裏側に隠れ、通信が途絶える難しいタイミングだった。想定外のことが起きるのは宇宙の常で、経験を積み重ねて次に生かすしかないという。
秋山演亮・和歌山大学宇宙教育研究所長は「宇宙は経験がものをいう世界。日本は中国やインドよりは経験があるが追い付かれない努力が必要だ」と強調する。
火星探査機「のぞみ」の場合は電気系統の故障で主エンジンが使えず噴射できなくなった。燃料供給系も故障、最終的に軌道投入に失敗した。
こうした点を踏まえ、あかつきの燃料系はバルブを2系統にした。低速でも確実に通信できるアンテナも搭載し、今回、居場所の把握に役立った。ただ軽量・低コスト化を追求しバックアップとして働くシステムが不十分との見方もある。
あかつき、JAXA、惑星探査
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