Login Free Sign Up
April 13, 2009

(日文)竜†恋[Dra+KoI] ぎんいろアクマときんいろオバケ Track 11




[Track 11 SUPERHEROINE VS SUPERVILLAIN]



「足りないぞ」

「はあ……貴方は……」

彼の腕が、首を絞める私の腕を、強く掴む。
血の海から身を起こし、私を睨みつける。

「こんな貧しい憎悪じゃ……贋作の竜の……金めっき一枚……剥がすはできない!」

「ああ……こ、こ、こ、この!」

私の腕を掴む彼の腕が、輝きを帯びる。
私を睨みつける彼の瞳が、輝きを帯びる。

「こんな程度の夢(ロマン)に……殺されてやるはいかないな!!」

「ぎゃあ!!」

私の体を蹴り上げる彼の足が、輝きを帯びる。
地面に転ばされた私は、立ち上がる彼を睨みつける。

「う……!白銀の魔王!」

「久しいな、余の英雄。余のブリュンヒルデ!」

立ち上がった彼は、もはや、かつての彼ではない。
今や一番悪くて、一番強い、三千世界全ての悪。
魔王の名乗るに相応しい、忌まわしいその姿。
即ち、
憎悪に燃える呪いの瞳。
大地を踏み砕く呪いの足。
千軍をなぎ払う呪いの腕。
黄金色に輝く、白銀の魔王。

「私は……

貴方と……

久しぶりね。白銀の魔王。
相変わらず貴方は……なんて不細工な姿なの」

「お前を睨みつけるには、硝子の瞳でこと足りる。
お前を捕まえるには、真鍮の足でこと足りる。
お前を縊り殺すには、真鍮の腕でこと足りる」

言って魔王は、錆び付いたドラゴンの足で仁王立ち。
錆び付いたドラゴンの腕で掲げ、
濁った硝子の瞳で、嘲る様に私を睨め回す。

「さあ、どうする?姫よ。余の英雄よ。
戦う術なら、
あの時与えたはずだ」

「私が……そうね。
私が、ヒロインだものね。大首領。
貴方が、私が変身するのがいいって言ってたかしら?
そうね。だから私は、そのようにするわね」(近づく)

『変.身!!』……なんてね」


そして、彼女が光に包まれる。
輝きを纏った彼女は、もはやかつての彼女ではない。
一番悪くて、一番強い悪をぶっ飛ばす、正義のヒロイン。
英雄の名乗るに相応しい、尊きその姿。
即ち、
全てを見通す、水晶の瞳。
千里を駆ける、銀の足。
魔を退ける、銀の腕。
菩提樹の葉を付きし、白銀の戦妃。

「英雄は……試練を乗り越えるための、魔法的な手段を与えられる。
どうだい?辻褄は合ってるだろう?」

「ええ。物語は、その通りね。
あとは……貴方が私に殺されてくれれば。
そうよね?甲斐性なし」

「余が死ぬに足る夢(ロマン)が、其処に宿っているならば。
或いは、その通りかもしれないな。地雷女」

「あふふ」

「てははは」

「それじゃ……貴方と私は」

「始めるとしよう。痴話喧嘩の続きを」
「なあ!!!」


---

Today's Visitors: 0 Total Visitors: 97
[Trackback URL]

Post A Comment









Yes No



Please input the magic number:

( Prevent the annoy garbage messages )
( What if you cannot see the numbers? )
Please input the magic number

誰來收藏
Loading ...