(日文)竜†恋[Dra+KoI] ぎんいろアクマときんいろオバケ Track 08
[Track 08 KILL YOU]
目の前に現れたのは、巨大な機械の竜。
夕日を浴びて、黄金色にきらめくボティ。
硝子の瞳は何も映さず。意識を持たず。
「ぐあ!!」
どうしてだろう。
心臓は静かにされたような痛み、苦しみ。息が詰まる。頭が破裂そうなぐらい痛い。まったくもって理不尽な衝動。
これは、一体?
「嗚呼、虚ろな世界、貧しい物語!真鍮を黄金と偽り、鴉片の毒を夢(ロマン)と嘯き。こんなにも、こんなにもむなしい時代に辿り着いてしまった。」
貧しい物語。
偽りの黄金。貧者の黄金。
それは、真鍮の……
「ぐああ……あ…...あああ…….」
嗚呼。こんなにも虚ろな世界の果てで、こんなにも空しい時間の彼方で。あああ……ああ……
「…….余は……」
「あああ……」
「……あ」
「……わああああああああ!!」
彼女の悲鳴。聞く者の魂を懲らせるような、凄まじい慟哭の絶叫。最も大切な何か、親切な何かに裏切られた者が、呪いと共に搾り出す。
それは、魂の断末魔だった。
「ああ……だから、余は……」
「あああ~!あああああああああ!!」
「……ぐ……」
「……あ……?」
彼女を、強く抱きしめる。
胸を締め付ける苦しみが、より深刻のものになる。
だけれども、そんなことは関係ない。
余は……彼女を……
今度こそ彼女を……!
この貧しい物語の、それですら間違ってしまった余の……
これは、せめてもの。
「そうか。そうだったのか。
お前が……余の……英雄だったのか」
(ざくり!)
「え?」
「貴方は……」
「貴方は……」
「私に……殺されるのよ、大首領/魔王」
背中を、冷たい感触がすり抜けっていた。
次の瞬間。
ものすごく熱くて、だんだんと……寒く……。
(倒れる)
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