(日文)竜†恋[Dra+KoI] ぎんいろアクマときんいろオバケ Track 06
[Track 06 KISS YOU]
「あ……」
喉元に現れた金属片。竜の鱗。あれ以来、埋め込まれたままだ。
「貴方が大首領になるために、貴方が悪い人たちの中で一番偉くなるためには、貴方が、一番強くなる必要があると思うの」
「へえ……そうか」
「ええ。私はそうだと思うわ。貴方が、貴方の力を皆に見せ付けて、貴方は恐怖とともに、人々の頂点に君臨するのよ。だって、貴方は大首領なのだもの」
「はあ……そんな力があるわけないだろう?」
「貴方には……世界を征服できる力がないの?」
「ないよ」
「あら……私は困ったわ」
「なあ……だからずっと困ってるって」
「あら、それじゃ私と貴方はやっばりお揃いね。私はうれしいわ」
「あは……もう!!」
「だったら、貴方が、力が欲しいなのね?」
「いや、別に」
「それはいけないわ。貴方は一番強くないと、貴方は一番偉くなれないから、貴方は大首領になれないから、貴方が、私に殺されることができないのよ?」
「はあ、そもそも殺されたくないんだけどね」
「それは、とてもいけないわ!!」
「うひゃ……もう……心臓に悪い」
「貴方が殺されなければ、夢(ロマン)はどこにも辿り着かなくなってしまったもの。だからそれはとてもいけないことなのよ」
「そもそも、夢(ロマン)とかよくわからない」
「ああ……世界は……独りぼっちではいけないでしょう?だから夢(ロマン)が、世界には必要なのよ」
「ますます訳わからないよ。それよりもこれ、
どうやったら消えるんだ?埋まりっぱなしはなんか怖いよ」
(近づく)「はあ……」
「おい……また……ち、近すぎるって」
「私が……ここを、貫くのね」
「ああっ!!」
恍惚に運指りながら、彼女は喉元に……竜の鱗に、口付けた。
「はあ……うん……」
それはまるで、
獲物に牙を突き立てる獣のように。
愛しい者の血を啜る伯爵のように。
「うん……はあ……」
「ああ……」
蛞蝓のように。
蛭のように。
彼女の舌が、喉を這う。
それはひどく、おぞましく回り。
だけどひどく、甘美で回り。
そしてなぜか、胸が痛くなるような、切なさに満ちていた。
「うんふん……はあ……」
「……つ……なんで……こんな……ことを?」
(爆発)
(ふたり)「うわああっ!!」
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