(日文)竜†恋[Dra+KoI] ぎんいろアクマときんいろオバケ Track 02
[Track 02 SUPERVILLAIN MEETS SUPERHEROINE]
(学校)
「貴方は、私に……殺されるのと、大首領」
「はあ……」
夕日が差し込む放課後。誰もいない教室。そんなシチュエーション。
「あら?貴方の反応はイマイチなのかしら?私は困ったわ。せっかく私は勇気を出して告白したのに」
「はあ……」
そんなシチュエーションで、彼女に告白された。
「私は、もう一度言うわね、大首領。貴方は、私に殺されるの。私に殺されるのは貴方なの。貴方は、お分かりかしら?」
殺意を......告白された。
「はあ……そうなんだ」
「うん。貴方はそうよ」
「なんで?」
「貴方の言う『なんで?』は何?」
「……なんで殺されるの?」
「それは、貴方が、私の大首領だからよ」
「いや、えっと……『大首領』って何?」
「『大首領』は『大首領』なのよ」
---
(テレビ)
「吸血殲鬼 ヴェドゴニア!!」
(爆発)
「ぐああああああ!!……っく、これが悪の秘密結社【イノヴェルチ】の大首領リァノーンの力?まさか呪文詠唱も無しに極大爆炎魔法【メギドルシュ】を撃てるなんて!?」
「違うぞ。ヴェドゴニアよ」
「何?」
「今のは極大爆炎魔法【メギドルシュ】ではない。下級火焔魔法【ジャッカ】だ」
「な、なんだって!?ただの下級火焔魔法【ジャッカ】なのに、これほどの威力とは。大首領リァノーンの魔力は、そんなにも凄まじいものなのか?か、勝てない!」
---
「大首領は一番悪い人で一番強い人なのね」
「いや、あ……あんまりヒーロー番組とか見ない子供だったから」
「あら、貴方は、そうなの?」(近づく)
「あっわた、ちょ、ち、近」
「だけど……やっばり、貴方が私の大首領だから」
唇が触れそうなくらい近くに、彼女の顔がある。
彼女の瞳に映る瞳。見つめ合う。
「貴方は、私に、殺されるのよ」
見つめる視線に魔力は宿る。そんなことにも気つかずに。
「は……じゃ、一番悪いやつを殺す君は何?正義の味方?ヒーロー?『変身』とかするのか?」
「私はそうよ。私はヒロインなのね。私が『変身』するの?貴方はそんな私がいいの?貴方がそうなら、私、変身するわね」
「はああ……それはよろしゅうございました」
「ええ。私はよろしいわ。貴方もよろしいよね?それなら貴方は、私に殺されてくれるよね?」
「今?ここで……ぐさってやっちゃうのか?」
「いいえ。その質問の答えは、違うわ」
彼女の体が離れる。なぜか郷愁に似た思いが駆け抜けていく。
なぜか、名残惜しい……と思った
そう思ったことに......驚いた。
「だって貴方は、私の大首領だけど、貴方はまだ大首領になっていないから」
「あは……」
「だから貴方は、一番悪くならないと駄目なんだよね。そうじゃないと、私は貴方を殺せないのよ」
「もう……何が何だかわからないよ」
「それは……夢(ロマン)が、物語を求めているからなのね。だから。今日はさよなら。これから私と貴方は一緒に頑張っていきましょうね」(離れる)
「ああ……」
「貴方は、私に殺される大首領になるために頑張って。私は、貴方を殺す【ヒロイン】になるために頑張るの……それじゃ、御機嫌よう」
(ドアを閉める)
「はあ……電波さんに絡まれちゃうとはな……」
---
Previous in This Category: (日文)竜†恋[Dra+KoI] ぎんいろアクマときんいろオバケ Track 01 Next in This Category: (日文)竜†恋[Dra+KoI] ぎんいろアクマときんいろオバケ Track 03