やっぱりカノープス?…MTV1000

  1. 購入経過
  2. ハードウェア
  3. MEDIACRUISE
  4. まとめ
  5. CMカッター

1.購入経過

 これからはパソコンでTVでしょ…と言うことでAD-TVK501を購入して録画機能の弱さにがっくりして、単体でWinDVR ARENAを購入して改善されたもののやっぱり画質悪いし音声はモノラルだし…てな状態。そんな中でビデオカードとともにビデオ編集機器でも有名なカノープスが出したWinDVR PCIなる製品がありましたが、他社製品のOEMらしきカードと画質のいまいちさ、そして数々の不具合…と信者もガックリの出来。

MTV1000(の外箱) そしてWinTV PVRやNECのSmartVision Pro2 for USB等、TVチューナーがついていてMPEG2もハードウェアエンコード出来るよ〜てな商品が主流になるなか、満を持してカノープスが出したのがこのMTV1000。高性能&高画質を売りにしていて、値段も高めながらやっぱり馬鹿売れ。

 欲しくなった私は、当時あまりの人気に品薄状態でしたがTWOTOP梅田店の開店セールなら用意しているだろうと狙いを絞り、ちと高めの価格ながら入手した次第です。

2.ハードウェア

MTV1000のボード全景 ボードの形状はこのような形。配置はオーソドックスながら、レイアウトの最適化によって性能をあげているとか。PCIカードとしてはちと大きめかもしれません。

 画質と言う点ではPCI接続による内蔵タイプよりはUSBなどによる外部接続がいいのですが、USB1.1である以上転送速度の限界もあり、ビットレートが6Mbps等に押さえられてしまいます。PCI接続なこれでは15Mbpsまで対応していますし、操作時のレスポンスもよさげ。

付属のガスケット また外部からのノイズを防ぐために、PCIカードとケースの間に挟むガスケットが同梱されています。ただこれの効果は未知数ですし、ここを塞いでもすぐ横に冷却用の穴が開いているうちのマシン(と言うか、そういうケースが殆どでは)では意味が無いんじゃないか…と思います。

MN85560 これがこのボードの中心となるMPEG2エンコードチップ・PanasonicのMN85560。同社のMVR-D2000にも使われているものなので性能には期待できそうです。

 他社製品等に乗っていることもあるbt878系のチップは乗っていないので、AVI形式での取り込みは出来ません。まぁ高画質なMPEG2で録画しておいてから、そのままor他の形式に変換して保存ってのが定番になるかと。

3.MEDIACRUISE

上がsmall、下がdefault(1024*768) 各機能は、このMEDIACRUISEで行います。操作パネルはかなり大きくて、default、そしてfullcolor、ちょっとサイズを小さくしたsmallがあります。

 設定項目はかなり豊富で、再生時、録画時の画質調整も出来ますし、録画はVideoCD形式からMPEG2で15Mbpsまで。私は標準の5Mbpsで使っていますけど、これでも1時間撮ると2GBですから、かなりのHD食いです。NTFS以外でも4GB超のファイルを作れますが、再生にはこのMEDIACRUSEが必要になります。MEDIACRUSEはMTV1000がセットされているかチェックするので。

 再生時にはプログレッシブ再生が可能ですが、画面のリフレッシュレートが60の倍数であるのと、対応したグラフィックカードが必要。うちではGeforce256Geforce2GTSは可能でしたが、Radeon8500は画面が斜めの縞模様になってしまいます。チェックツールがインストールされる(C:\Program Files\Canopus\MTV1000\MtvTest.exe)ので、それで調べてもいいでしょう。

MPEG2をMTV1000プラグインで再生 また、プログレッシブ再生に出来たとしてもリフレッシュレートを合わさないと画面がちかちかしたような状態になってしまいます。プログレッシブ再生はTVモニターへの出力時につかうといいかもしれません。

 なのでプログレッシブ再生はいつも切っているのですが、動きの激しい所では右の画像(こ、これは…)の様にコーミング(縞模様)が発生してしまいます。

MPEG2をWinDVDプラグインで再生 そこで、各機能は対応するプラグインによって動いていますから、MPEG2のプラグインをMTV1000からDVD再生用にインストールされるWinDVDに変更すると、左の画像(同じシーンです)の様に若干ぼやけるもののコーミングのない綺麗な動画が再生できます。

 また、MTV1000では飛び飛びのコマ送りになってしまうスロー再生もWinDVDだと可能になります。ファイルが大きすぎると使えない場合もありますが、積極的に使ってみてもいいかも。

 iEPGによる番組録画は常駐ソフトのTV Recording Managerで行います。

 また、MTV1000自体に音声入力端子が備わっていて、TVの録画時はもちろん、ビデオ入力&音声入力端子からの録画時もサウンドカードは使いません。MTV1000からサウンドカードにコードをつなぎますが、これはMTV1000でTVや録画した動画を見るさいの音声を出力するためのものなので、その音声入力(私の場合はAUX)をミュートしておけば無音。その間CDやMP3を再生していても音が混ざることはありません。まぁCPU負荷の問題はありますけど、録画だけにPCの機能を占有させないで済むのは利点ですね。

 CPU負荷の方はこのような感じになります(Athlon1.33GPC2100・DDR512MB、Radeon8500LE、Barracuda ATA IV、WindowsXPでNTFS)。

MTV1000でのCPU負荷

 CPU負荷の方はそれほど問題ではありませんが、HDへの負荷の方が大きいでしょうね。録画時はコマ落ちしてほしくないので、なるべくHDを酷使するような作業はしないようにしています。

4.まとめ

 価格はちと高めですが、TVチューナー付きハードウェアMPEG2エンコードカードとしてはかなり優れた製品だと思います。最初から組み込まれているVAIOに匹敵するでしょう。価格面さえ気にならなければ、かなりお勧めできます。

 後は、ビデオ出力機能が付けば完璧かな?。

(2001/06/27)

5.CMカッター

 MTV1000には作成したMPEGファイルを編集する為のソフトは付属していないのですが、今回ノンサポート・トライアル版という形ながらCMカッターなるものが公開されました。

CMカッター これはカット編集に特化されているツールで、GOP単位での切り取りが可能になっています。画面で切り取る位置を調節しつつ、マークをつけた部分は別ウインドゥに表示されますし、操作方法は至ってシンプル。また、出力時に再圧縮を行わないので、処理は高速ですし画質の劣化もありません。

 ダウンロード時には簡単なアンケートに答える必要があるのですが、ここで集められたMTV1000ユーザーの意見は今後の展開に反映されると思うので、自分の欲しい機能を書いてみるのもいいかも。

 さっそく使ってみたのですが、機能が限られている分操作は簡単。好きな部分だけ切り取って出力できるので、CMカッターじゃなくてCMを取り出して保存…に使ってます。貼り付ける機能はありませんが、一つのMPEGファイルを編集するには十分な機能を持っていると思います。MTV1000ユーザーなら即ダウンロードすべきかと思います。

 また、DeMultiplexerと言ってプログラムストリームを音声と映像に分離するソフトも付属しています。これで分離して、他のソフトで編集する際に使えるかと。

(2001/12/02)

備考

1.MEDIACRUSEのアップデート時

 WindowsXPでの動作確認に気づいたのですが、MEDIACRUSEのインストール&アンインストール時にInstallShieldが正常終了せず、その後のアップデートがうまくいかない場合があります。

 このインストール作業の際にはカノープスのFAQに載っている様に、一部の常駐ソフトが動作しているためにInstallShieldが無応答になる場合があります。私の環境の場合はチューチューマウスが原因でした。カノープスサポートフォーラムや、チューチューマウスの開発元の掲示板でも同様の報告があがっているので、どうもチューチューマウスとInstallShieldの間には何らかの相性問題が発生している様です。

 この場合、MTV1000カーネルドライバの削除方法は付属のhtmlドキュメントに記載されていますが、コントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」からMEDIACRUSEが削除できない場合(作業が一瞬で終わり、ショートカットやファイルは全く削除されない)は、InstallShieldの情報が、C:\Program Files\InstallShield Installation Information\{FB1E8CCF-441F-49D6-8A9D-88F4949583C3}というディレクトリに保存されているので、中のsetup.iniというファイルを開いて中にAppName=MEDIACRUISEという一文があるのを確認し、このディレクトリごと削除すれば正常に再インストールは可能です。レジストリはいじらなくてもいいと思います。

 …よく考えると、これはMTV1000は直接関係なく、チューチューマウスとInstallShieldの話になるのかな?

2.電源が自動的に切れない

 うちのAthlon環境で発生したのですが、Windows2000/XPでMTV1000をインストールした後、OSを終了しても自動的に電源が切れなくなる場合があります。その場合はカノープスのFAQにも記載されていますが、電源管理方法を変更すれば出来るようになります。

3.録音レベルが低い

録音レベル調節 FAQの所にもありますが、録音時のボリュームは標準的な値?に設定されていますが、すこし小さめ。

 そこで、Ver1.10βドライバから、録音レベルの調節機能が追加されました。MEDIACRUISEのキャプチャパラメータの設定で行う事が出来、50〜400%の範囲で調節する事ができます。

 私の場合は最大の400%にしていますが、これで丁度良いぐらいかな?。とりあえず作成したMPEGファイルを再生する時に、ボリュームを上げる必要は無くなりました。

(2001/11/01)

(C) 1997-2002 by dieen, all rights reserved.
Text-search