2010年12月12日3時0分
対象者全体の自宅PCによるネット利用とテレビ視聴との関係を分析すると、PCでネットを使った日の方がむしろテレビを見る時間も長かった。その日の在宅時間の長短に応じて、各メディアにそれぞれ時間を配分する傾向が見られるという。
また、書籍の実売総額と1人あたり国内総生産(GDP)の増減はこの15年間ほぼ一致しており、景気に左右されるという相関関係がうかがわれた。
橋元教授は「10代のパソコンによるネット利用時間が落ち込んだのは意外で、10代の携帯ネットの利用も飽和状態に近いと見ている。利用時間は機器の普及の進み具合によって決まる傾向があり、電子書籍の端末が安くなれば、若い世代の利用が伸びる可能性がある」と話している。
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「パソコンは立ち上がりが遅い」「交流サイトもケータイで見ている」「パソコンをするよりはテレビを見る方が多い」。市場調査のため、東京・渋谷のプリントシール製造会社「フリュー」のショールームに集まった高校生たちに聞いてみると、こんな答えが返ってきた。メディア接触の中心は携帯電話だ。
東京都立高2、3年の女子6人。5人はメールに返信するため、風呂に携帯を持ち込んでいる。「学校では授業中のケータイは禁止ですが、隠れてメールをしたり、サイトにつなげてブログを見たりしています」
月々の利用料を尋ねると9千円から2万円ほど。使い道はメール派4人、通話中心が2人。6人のうち、ふだんパソコンを使うのはオンラインショッピングをするという1人だけだった。(編集委員・川本裕司)