中国の先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて5.1%の大幅な上昇となり、インフレへの懸念が一層強まるなか、中国政府は物価の上昇を抑えるため、金融の引き締めに向けた動きを加速させるものとみられます。
中国の国家統計局は、11日、記者会見を開き、11月の消費者物価指数が前の年の同じ月と比べて5.1%上昇したと発表しました。中国の消費者物価指数が5%を超える大幅な上昇となったのは、ことし初めてです。また、政府が年間の目標としている3%を上回ったのもこれで5か月連続となりました。内訳を見ますと、特に食品価格の上昇率が11.7%と大きく、前の月の10.1%からさらに拡大しています。これについて、国家統計局の盛来運報道官は「物価の上昇は所得の低い人たちに大きな影響を与えており、政府は支援を充実させなければならない」と述べ、危機感を示しました。中国の中央銀行「中国人民銀行」は、ことし10月、およそ3年ぶりに政策金利の引き上げを行ったほか、10日も先月以降3回目となる、銀行の預金準備率の引き上げを発表するなど、物価の上昇に歯止めをかけるための対策を次々と打ち出しています。しかし、先月の消費者物価指数の上昇率が5%を超えたことで、インフレへの懸念が一層強まるなか、中国政府は金融の引き締めに向けた動きをさらに加速させるものとみられます。