COP10:ウイルス提供で先進国と途上国対立 準備会合

2010年10月13日 23時33分

 名古屋市で開催されている国連生物多様性条約の準備会合は13日、ワクチン開発に欠かせないウイルスなどの病原体を製薬企業が途上国で入手する場合の利益配分などについて論議した。「人類を病気から守るため、迅速な提供が必要」と緊急時の柔軟な対応を主張する先進国に対し、途上国は「迅速な提供は適正な利益配分があってこそ」と訴え、対立が浮き彫りになった。

 同条約第10回締約国会議(COP10=名古屋会議)で採択を目指す「名古屋議定書」は、医薬品開発に役立つ微生物や動植物などの遺伝資源を先進国の企業が利用する際に、途上国の同意や利益配分を義務づけるための具体的なルールづくりを目指している。

 これまでに強毒性鳥インフルエンザ(H5N1型)による死者が最多のインドネシアが、同国のウイルスでできた高額なワクチンを先進国から買うことに不満でウイルス提供を拒否、世界保健機関(WHO)で議論となっていた。このため、欧州連合(EU)などが準備会合で病原体の特別扱いを求めたが、アフリカや南米など途上国は「WHOと生物多様性条約とは別の論議」と主張している。【足立旬子】

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