2010年12月12日0時53分
サンクトペテルブルクでのチャリティーパーティーで10日、歌声を披露するプーチン首相=ロイター
サンクトペテルブルクでのチャリティーパーティーで10日、ピアノを演奏するプーチン首相=ロイター
【モスクワ=副島英樹】ロシアのプーチン首相が10日、サンクトペテルブルクで開かれたチャリティーパーティーで、ピアノの演奏と歌声を披露した。国営テレビ「ロシア24」によると、ピアノは右手と左人さし指でのゆっくりした演奏で、歌も音程をはずし気味。これまで戦闘機や潜水艇、F1レーシングカーなどで見せたパフォーマンスとは勝手が違ったようだが、それでも予期せぬ出来事に会場は盛り上がった。
インタファクス通信によると、女性司会者が「難病の子どもたちのために」と首相に余興を依頼。根負けした首相は「大多数の人と同様、歌も演奏もうまくはできないけれど好き。我慢して聞いて」と話し、演奏をバックにマイクの前で英語の歌を披露した。その後、グランドピアノの前に座り、懐メロの愛唱歌「どこから祖国は始まるか」の旋律を弾いた。
プーチン首相は、7月の米ロのスパイ交換でロシアに強制帰国させられた情報員と面会した際、一緒に「どこから祖国は始まるか」を歌っている。司会者がこのエピソードを持ち出し、首相を舞台に引き上げる決め手になった。
「双頭体制」を組むプーチン首相とメドベージェフ大統領はともに、2012年の次期大統領選が近づく中で国民向けのパフォーマンスを強めている。どちらが立候補するかは直前まで決めないとみられ、それまでは双方が支持率維持を図るとの見方が強い。