麻帆良祭、二日目。
麻帆良はどこぞの都市並みの人口を誇り、更には学生も多く、他所では見れない独自の技術や文化もあり、更には世界有数の図書館こと図書館島を保有していることで様々な面で色々な人々に有名なのだ。そんな学園の見世物はピンからキリまで有るのは言うまでも無く、初等部の演劇、演奏会から大学院生達の自主制作のレイバーまで、更にはどこが資金を出したのか世界の武器展覧会や重機EXPOと題して昨今の農業用、建設用、救助用、更には戦闘用ロボットまでもが運び込まれていた。
上空には飛行船も飛んでおり、飛行船からもスポンサーや目玉イベント、注意事項などの放送を行っている。
さて、そんな麻帆良祭のなかで石動は何をやっていたかというと…。
「~~♪」
ジャンジャジャジャン♪
しっとりとしたテンポの曲をギターで演奏し、歌っていた。
高校の体育館でクラスメイトとギターやドラム、エレクトーンなどを弾きながらライブを行っていた。
この演奏会は学園の大型演奏コンテスト『まほライブ』とは別にクラスが独自に行う演奏会だ。
演奏や歌がどうしても苦手な者はチケット販売、演奏会参加者の曲が収録されたCD・カセットテープや飲み物の販売、或いはビラ配りなどに従事している。
ただし、この場合麻帆良祭の間7割近く雑事に従事することが義務付けられているのだが、この際は置いておく。
「次はアップテンポな曲、行くぜー!」
先ほどまでの曲と変わり、今度は明るい曲調の歌が始まる。
それは何時だったか石動が元の世界で聞いた曲をアレンジして歌詞も大なり小なり変更した歌だった。
元が良かったせいか、曲のアレンジは余り大きくなく歌詞アレンジの方がわりと大きい。
こういうことが出来たのも、石動のイルヴァでの冒険者黎明時代に金を稼ぐための手段として必死になって演奏や歌で頑張っていた時期があるが故だ。
まぁ、本音は印象的なサビを雰囲気程度でしか覚えてなかったというのが正解だったりするが。
演奏が終わり、石動がマイクを手に感謝を告げると良かったぞー!まほライブもがんばってねー!等という声援が飛ぶ。
「みんな、応援本当にありがとー!1-Dの演奏会はまだまだ続くから引き続き聴いていってくれよ!」
という宣伝をすると、おー!!!という返事が返ってくる。石動達は心地よい気分のまま舞台を後にした。
石動の番が終わり、クラスメイトに『環境美化委員の仕事してくるわー』と告げて体育館の外に出ると、即座に補足された。
ちなみに石動の『環境美化委員』というのは『清掃員』の仕事と兼ね合わせている為自動的にそちらに所属となったのだ。
「あ、石動センパーイ!」
「んぁ?おぉうシオンじゃないか、久しぶり。元気してた?」
「はい、最近は進路も決めて色々とやる気が出てきたところです!」
ぐぐっと気合が入ってますといわんばかりに胸元で拳を固めるシオン。
「へぇ、中学生なのにもう決めたのか……で、なにをするんだ?」
「良くぞ訊いてくれました!ズバリ、人間と同じサイズで人と同じ様に物を考え、感情を持ち、行動するロボットです!今の時代、悲しい事にロボット産業は軍需への傾きが多いです。しかし、これからの時代に必要なのは寧ろ医療用や介護用のロボットであると私は確信したのです!そして、そういった方面ならばゴツイロボットよりも人の様に行動するロボットの方が良い、とも思いました。そしてゆくゆくは全世界に医療介護用ロボットを広める、それが私の夢です!」
シオンの宣言に、石動も周囲に居た人々も思わず「おぉ~」っと感動し、拍手をする。
「実は知り合いのおじさんにロボット工学やAIプログラミングに強い人が居るんです。その人達が今の所を引退してどこかで講師をしたいって話で……それで麻帆良に誘ってみたらOKを出してくれたんです♪」
「へぇ、なるほどねぇ……その人の名前は??」
「えぇっと、言って良いのかな……まぁいっか。ヒューイ・エメリッヒっていって、向こうの家族も一緒に来るって言ってました」
「家族と一緒に?」
「えぇ、ジュリーおばさんとハルとエマ。ハルとエマは私の年下の幼馴染で二人とも分野はハード系、ソフト系に別れてるけど親に似て結構すごいの。正に天才一家って感じです」
大絶賛するシオン。それもそうだろう、そのエメリッヒ一家は知る人ぞ知る、更には一部転生者もゲーム知識で知る天才一家なのだから。
もっとも、石動はエメリッヒと言われてもぱっと理解できない。もしもハルのことを『オタコン』と呼べば一瞬で理解しただろう。
あぁMGSのオタコンか、と。
そんな話をしていると、シオンの後ろに何時の間にか妙にガタイの良い初老の男性が居る事に気付く石動。
「(見事な気殺だ……もしかしたら、俺よりもコソコソ動くのはすごいかも?)」
白髪交じりの頭髪と深い皺の刻まれた顔、そして何より特徴的なのは左目を覆う眼帯だった。
石動が気付いた事に気付いた老人は「しーっ」っと黙っておくジェスチャーをする。石動は悪意を特に感じなかったのでまぁ良いかと思って見逃して事態を生還することを選択する。すると老人は両手をシオンの両肩に乗っけてガシッとホールドする。
「こぉらシオン!案内役が一人で勝手にうろつくってのはどういう了見だ?」
「う、うわぁっ!ごめんなさいジョンおじさん!!」
慌てて謝罪するシオン。その光景に石動は思わず噴出して笑う。
「ほら、謝罪はいいから紹介を頼めないか?」
「あ、はい!先輩、こちらの方は私のお父さんとお母さんの上司で海外で運送業や警備会社を経営しているジョン・ドゥさんです。私はちっちゃい頃からお世話になっているんでジョンおじさんって呼んでます。ジョンおじさん、こちらは石動進さんです。麻帆良での警備任務の際にパートナーをして貰っています。苦手な古典の勉強なども教えてもらってたりするんです」
「MSFのジョン・ドゥだ。宜しく頼む」
「麻帆良の高校生兼『清掃員』のススム・イスルギです。よろしくMrドゥ」
二人は笑顔で挨拶を交わし、ガッチリと硬い握手を交わす。
「いや、俺の事は『スネーク』で良い。身内にはそう呼ばせるようにしている。シオンが世話になっているなら、身内扱いでも構うまい?」
「じょ、ジョンおじさん!!それにその名前って……(おじさんがそう呼んで欲しいだけで他のみんなはビッグボスって呼んでるじゃない)」
悪戯小僧のような陽気な表情で言うジョン…もといスネーク。
シオンは茶化された事に慌て、更に『スネーク』という彼の嘗ての暗号名(コードネーム)は既に呼ばれなくなって久しい事をつっこみたかったが、なんとなく言いそびれる。
「わかったよMrスネーク」
「"ミスター"は不要だススム。ふむ、良かったらシオンと俺、それともう二人ツレが来ている。シオンの妹と俺の部下達の孫兼息子なんだが、よかったら一緒に周らんか?」
そういって誘うスネークに石動は少しだけ考える。
「(そういや、桜やマキさん、それにエクリアさんもほったらかしじゃ不味いよな)」
意外かもしれないが、この男は家族サービスならぬ身内サービスは頻繁に行っているタイプだ。
と言っても何をして良いか分からないので月一で季節に合う観光名所を回るといった具合だが。
「んじゃ、俺の身内も呼んでいいですか?俺の彼女と相棒と妹です」
「あ、先輩それってマキさんとエクリアさんと桜ちゃんですか?」
石動はシオンの言葉に「うむ」と頷き、0-Phoneで3人に連絡を取ると直ぐ近くに居た……というか、先ほどまで石動のクラスのライブを見ていたので直ぐに合流し、スネークのツレの少年少女もキチンと合流できた。
さて、皆さんお気づきであろうか?今のメンバー構成はとても美味しい状況にあるという事実を。
女性陣は見た目高校生~大学生の美女でスレンダーな赤毛美女(マキ)と金髪美乳メイド(エクリア)。中等部のメガネで茶髪ロングな理知的美少女(シオン)と小等部の愛らしい美少女(桜)と更に幼い幼女(愛美)。
男性陣は燻し銀が光る謎の初老の男性(スネーク)と何もしなくても存在感を放つ見た目は普通な青年(石動)と将来が非常に楽しみな紅顔のショタ少年(ジョニー(将来のアダナはアキバ))だ。
そんな一団を見れば周囲も色めき立つというものだ。あるものは美女コンビに、あるものは小中の美少女達に、あるものは存在感のある燻し銀に男女問わずに惹かれ、あるものはショタ少年にショタ心を揺さぶられ、あるものは何であの青年は普通に見えるのにあの中に居るのが普通に思えるのだろうと頭を悩ませる。
「……まぁ良いんだけどね」
石動は自身への評価を苦笑して受け止める。
石動も自分の容貌が良いと言うほど良い訳でも悪いというほど悪いと言う訳でもない事は理解していた。
容姿に関しては良くも悪くも普通、それ以外は上々でカリスマもある学級委員にして学園美化委員。それが石動及び周囲の人物の評価である。
「ここにいるとなんだか若返った気がするな」
「ジョンおじさん、それ少し年寄り臭いよ。ところでおじさん、そこのお兄さんとお姉さん達はどこのどちら様?」
ジョニーが初めて見る顔ぶれに少し驚きながら尋ねる。同じ様なやり取りを桜が石動にしていたので。
老蛇+エタチャンを体現してる男、みんなに説明中...
そして説明が終わった所で突如愛美が石動に対しタックル→ホールドというコンボをかます。
「ひさしぶり?ううん、はじめましてかな!石動」
「な、なんだよこの娘!?」
「宇津木愛美!アナタの存在に心奪われた少女だ!!」
思わずたじろぐ石動に電波的な言葉を吐く愛美。
電波少女まなまな、参上とでも言うべきであろうか……等と常日頃愛美に付き合わされているジョニーは思う。
誰もその愛美の正体……というか前世が石動の元親友・沢崎浩太だとは思わないしそもそも連想すら出来ないし、そもそも浩太を知らない人間の方が圧倒的に多い。
「な、なにをいってるんだ?」
「マナミ今日であったばかりの人にしつれぶげらっぷぁ!?」
戸惑う石動。振り払いたいが幼女相手にそれをするのは躊躇われるのだが、迷っている間に愛美を引き剥がそうとしたジョニーは見事な裏拳で横っ面を殴打され無様に倒れる。その姿に石動はギャグなのか真剣なのかと一瞬ばかり悩んでしまう。
「よもやアナタに生まれ変わってまた出会えようとは……。乙女座の私には、センチメンタリズムな運命を感じずにはいられない。それとも今日は普段よりも大人しくしていたから出会えたのか……おそらくは後者かな?」
「……」
石動は良い様にされた状態のままシオンを見るがシオンのほうも呆気に取られている。
ちなみに大人しくしていたと言うのは「大人しくしていたら姉さんの居る学園の文化祭にジョンおじさん達といって来ても良い」という風に父親に言われたからだ。
「(妹が1,2年会わなかっただけであそこまでおかしくなるなんて……お父さんとお母さんはなにをやっていたの!?)」
敢えて答えを言うならば「愛美は潜在的にはこういう子供だった」としか言いようがない。
そして他の人よりも早く行動を取った人物が居た。(ジョニーは員数外)
「はいはい、お嬢ちゃん大人しくしようね~」
強烈なホールドを背後から完全に引き剥がすマリー。錬金術で精製した魔法のブレスレットで膂力強化しているのでどれだけ駄々っ子だろうが容赦なく引き剥がせる。
「うわっ、なにこの怪力怖い」
「ま、愛美!失礼でしょっ!」
「えー、お姉ちゃんこれは仕方ないんだよ。恋です!愛です!衝動なんです!」
ズバっと言ってのける幼稚園児(愛美)。
オマエは本当に幼稚園児なのか、とその場に居た一般観衆すらも思った。
「あ~ははは……シオン、中々個性的な妹だな」
「ごめんなさい、先輩。まさかこんな事になろうとは」
「いや、構わないよ。なんで好かれるのかハッキリ言ってよくわからなけど、まぁ取り敢えず今は祭りを楽しもうか」
その後は時々愛美が暴走したりもしたが、麻帆良らしいハプニングに満ちたお祭りなので誰もが「あぁ、麻帆良だなぁ」と生ぬるく見ていたぐらいである。
ちなみに、このとき騒いで目立ったのが原因で麻帆良に「しっと団」なるものが発足し、石動を敵認定し始めたのだが本編とは関わりないので割愛する。
夕方を少し越えた頃になると子供たちも体力を使いきってダウンしていた。勿論愛美もだ。
仕方ないので今日のお祭りはココまでとして解散しようとしてまた明日としようとした所で実はスネーク達は宿の予約をしていなかったことが発覚。
なんでも「愛美はシオンの所に預けてジョニーと二人で野営するつもりだった」とのことだ。もっとも、愛美が暴走するのでそれは見送る事にしたようだが。それだと今度は泊まる場所をどこにしようという話だ。
「だったらウチに着たら良い。ウチは結構広いからな、3人4人と人が増えたところで部屋の方は特に困るほどじゃない」
と気軽に言い放つ石動。余談ではあるが全室それなりの広さを誇る上に『幸せのベッド』とそれなりに質の良いインテリア、暇つぶしの本(漫画・小説)が入った本棚、TVとビデオ、更にはAV機器まで完備だ。ココまでなったのは石動が~……という訳ではなく、エクリアが『余った客室を何もせずに放置するのはメイドとして見過ごせない』というメイド魂の現れである。ちなみに、客室の一角にはスプリングフィールド夫妻の専用客室があったり石動の部屋の近くにマキの部屋があったりと割りとスプリングフィールド兄妹の侵食率は高い。おまけ程度だがタカミチが良く泊まる(模擬戦で気絶して放り込まれる)部屋もあったりするのはご愛嬌。
そうして石動の家……というか邸宅に行くと、そこは既にリビングでバカ(ナギ)が勝手に仲間と酒盛りをしていた。
「おぉーうススム!勝手にやらせてもらってるぜ~!!」
ケラケラと笑いながら酒瓶片手にデカマッチョと呑んでるナギ。
それと対照的に無念そうな表情で頭をたれる常識人組み(衛春とタカミチ)。
「すみません、石動くん。一応止めたのですが止め切れませんでした」
「同じく、すまない進」
他にも何人か居たが、見たことのない顔もいたのでタカミチに紹介を頼むと……。
「ここにいるのが全員が現存する『紅き翼』のメンバーだよ。あそこでナギさんと呑み比べしているのが『千の刃』ジャック・ラカン。あっちで木葉(このは)さんと一緒に木乃香ちゃんの相手をしているのが一、二を争う魔道知識を持つアルビレオ・イマ。窓際でタバコを吸っているのが僕の師匠のガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグ 。ガトウさんの近くに居る子供はアスナちゃんだ。んで、TVゲームで対戦しているのがナギさんの奥さんであるアリカ様と魔法世界に存在する帝国の第三皇女のテオドラ様だよ。正直どうしてこうなったと僕は思っている」
「寧ろそれは俺の台詞だ。ウチが俺の与り知らぬ内に宴会場になってるのは予想外だったぞ」
その言葉に反応したマキが口を開く。
「けど、エクリアの許可はキチンと貰ったわよ?」
見れば見るほど異様に豪勢な面子であった。テオドラの頭の角とか長い耳とか普通に目立つんだが良いのか、とか思ったがタカミチに聞くと認識阻害魔法で誤魔化してきたらしい。
「申し訳ありませんススムさま。尚この後、アンゼロット様と魔王マルファス=ハルファスと『とある人物』が此方に赴く予定です。客室の方はあらかじめ準備してありますのでご安心を」
石動は思わず「絶対にノゥ!」と叫びたくなったが自制する。どうせ足掻いた所で既に決定事項なのだ。
最早野となれ山となれである。
「ところで、俺の目が確かならアリカさんなんかお腹が目立つけどもしかして?」
「その通りです。言うまでもなくおめでたで今月で6ヶ月らしいですよ。名目はマキさんの行状調査と木乃香ちゃんの学校見学。本音は『紅き翼』で遠慮なく集まりたかった、といったところですね。後から学園長も来るらしいですよ」
タカミチの言葉に思わず天を仰ぐ石動。
「どうしてこうなった……」
その後、気付いたら大人組み(ガトウ&スネーク)は政治情勢や軍事状況、何故かダンボールの話をしながら二人揃ってスコッチやウィスキーをロックで飲んでおり非常にダンディで渋い空気を放っている。若者組みはナギとラカン、石動とタカミチのコンビに分かれてマキの『箱庭』で頂上決戦をしており、近衛夫妻はようやく少し静かになったと息をついてまったり。子供たちは子供たちで意気投合して屋敷の中でかくれんぼを実施し、女性陣は恋バナや最近の流行の衣装やアクセ、後はゲームなどの話題で盛り上がる。
「いい加減、寝てろぉぉぉおおお!!」
「テメェが寝てやがれぇぇえええ!」
ラカンの渾身の一撃と石動の爆炎の一撃が交差して大爆発を起こして両者ともにダウン寸前だが即座に石動が追撃のタイランレイブを放って辛くも勝利。周囲は真っ赤に燃え、クレーターだらけだ。
「今日こそ!」
「はっ、俺に勝つにはまだはえーよタカミチ!『白き雷』!!」
拳の弾幕と雷がぶつかり合い、雷が押し切る。だが、押し切られた所を自慢の抵抗力で防ぎきり距離を詰めて拳打のラッシュに加え足技も交えた攻撃で押すもナギの障壁を完全に削りきるには至らない。
だが、ナギの方とて余裕があるわけでもない。威力のありすぎるラッシュに障壁維持に力を割いていて反撃どころではないのだ。
「チッ、本当に短い時間で化けやがったな!」
「戦時のアナタほどじゃない!」
だが、ナギは自身の持つ膨大な魔力で耐え切ることが出来ていたが、タカミチは次第に息が切れ始めていた。
残念な話であるが、全力を用いた持続時間がもう尽き始めていたのだ。
「ま、今回も俺の勝ち、だな!!『千の雷』!!!!」
ナギの無詠唱の魔力に任せたトンでも魔法が吹き荒び、タカミチごとその後方に居たラカンを吹き飛ばした。
ラカン、ナギの魔法により重傷確定。石動は緊急回避ことショートテレポートで射線から退避していたので特に被害なしと言うのはまったくの余談だった。
一方の女性陣だが、此方は酒とジュースを交えた恋バナで盛り上がっていた。
ジュースを飲むのはアリカとシオンでマキとテオドラはカクテルを飲んでいるエクリアはバーテンダーに徹しているようだ。
「で、結局マキはあの男のどのような所が気に入ったのじゃ?」
「うぅ~ん、どこと言われても……強いて言うなら空気、かなぁ?兄さん達みたいに押しが強いかと思えば結構包容力があるし、最後までキチンと面倒見てくれるし、錬金術や魔道知識にも造詣が深いしなにより趣味が合うのが大きいかも。それにね、それにね」
そこから始まる惚気のマシンガントーク。アリカはほうほうと余裕を持って、シオンは未だに恋愛経験が薄いので興味津々に、テオドラは仲間内の女性で自分だけが遅れているという事(種族的な観点からすれば別に遅れていない)に少し焦りを感じて聞き入っていた。
「そういえば、結局石動先輩とお付き合いするようになった切欠ってなんだったんですか?」
その言葉に一瞬、時が止まった。
『恋した切欠』これは人にも拠るだろうが中々に理解が難しいモノである。
「そうねぇ、ぶっちゃけて言えば勘かしら?はじめてあった時、ビビッと来たのよ。ちょっと頼りなさげだけどイザって時は体を張って受け止めてくれそうな人だって。実際に色々と話をして確信したわ。私の人生を預けるに足る人物だって」
恋は盲目と言うべきか、或いは愛が深いのか酔いが深いのか。普段ならば中々口に出せない事もキッチリ口に出して言うマキに周囲はおぉーと感嘆の嵐であった。
本当の所は『前世』の時から想いを引きずっていたが正解なのだが、そんなことを態々言う必要は無い。
マキとしては前は前、今は今で改めて石動に惚れたのだから問題なしだ。
そんな中、手合わせを終えた石動は『箱庭』から応接室に移動して今日の『賓客』と会っていた。
「ようこそ、アンゼロット。我が家に来るのは初めてだったかな?」
「どうも、石動さん。初めてですが……意外ですね。思っていたよりもこの館においてある調度品等のセンスはよろしい様で」
「ん、ありがとう。屋敷を含めて7割ぐらいは俺の趣味だが、3割程度……細々としたモンはエクリアさんやマキ先輩の趣味だ」
「そう、それと紅茶を勝手に頂いています」
そういって手馴れた動作で紅茶を飲むアンゼロット。
確かにアンゼロットが使っている茶器や紅茶の葉は石動が用意しておいた茶葉の様だ。
傍らに立つロンギヌスの男性が淹れたのだろう。
「へぇ、んじゃ、この屋敷の1割2割はマキのモンって感じだな」
「なるほど、ススムは若く見えるが趣味はなるほど……それなりに渋い様だな」
何時の間にか同じ部屋に居たナギとスネークがこれまた何時の間にかソファに腰掛けてそう言っている。
本当に何時の間に?と石動は驚きの表情を隠さなかった。
「なに、スニーキングは俺の特技だ。驚くほどじゃない」
「俺はオッサンの真似してただけだけどな」
「……なんだか俺、自分の実力に疑問を持ち始めてきたわ」
イルヴァの神様も打倒出来る実力を持つ筈の石動なのだが、普通に彼らに気づけなかったのはショックだったようだ。
ちなみに、神は倒しても復活する……というか死なない。それがイルヴァのクォリティ。
この世界にやってくる魔王達と同じように自身の写し身を現界させているだけなのである意味当然だ。
もっとも世界結界があちらには存在しないので、コチラに現れる魔王よりも遥かに強いのは言うまでもない。
「で、アンゼロット。私たちがこの場に集まった意義は何?ただ単にコチラとアチラの英雄、侵魔と守護者と異邦人が集まったわけでもないでしょ?」
マルファスが優雅に紅茶を飲んでいるアンゼロットに問いかける。
ちなみに、この場での異邦人とはすなわち石動だ。この世界、FTAどころか、この次元世界の人間でも無い。それ故に異邦人。
では、石動と同郷の転生者はどうか?といえば生まれ変わった時点でもう転生した先の世界の住人と言える。例え前世の記憶が有ろうと無かろうとだ。
「もちろん、それだけの為に場を設けたわけでは有りません。目的は常に一つ。この世界の維持にあります」
この中で誰よりも幼い容貌をした少女の姿の老獪な手腕を持つ元女神はキッパリと言い放った。
即座に反応したのはスネークだった。
「ちょっと待って貰おう。俺はそもそも前提の情報も持ってないし、キミがどういう立場の人間なのかも理解していないんだが?」
スネークはこの場においては残念ながら明らかに「一般」に近い人間だ。だが、その英雄としての力量は言うまでもなく高いことはこの場に居る誰もが認めている。ナギもまた今までまったく知らなかったスネークに何かしら感じ入るものがあると判断しているのだ。
「これは失礼しました。私の名前はアンゼロット。石動さんの雇用主であり、この世界を侵魔(エミュレイター)と我々が呼んでいる異世界からの侵略者からこの世界の守護を担う存在です。ビッグボス……いえ、スネークさんも『魔法』という存在は既にご存知かと思います。私はその『魔法』や『魔術』と言った類の技術を監視し、先ほども言った敵と戦う者達の代表格だと思ってください」
「……ふぅ、確かに『魔法』に関してはコチラも知っている。ウチの隊員にも秘匿はしているようだが……だからと言ってキミの言葉を鵜呑みにするほど呆けたつもりは無い」
スネークは確かに魔法というものを知っていた。それが何故かと言えば『魔法使い』の部下が居るからだ。勿論魔法は秘匿するべき能力であると言う事をスネークも認識していた。なので自分の仲間内でもこの事実は極秘事項だ。その部下と言うのがシオンの両親である宇津木夫妻だ。魔法世界出身で人助けのためにコチラに来て活動していた所をテロリストに襲われ、偶然にも保護したシオンの母。同時にスネークと同じタイミングでシオンの母を助けようと動いた関西呪術師協会の重鎮の家系出身で出奔して世界を巡っていたシオンの父だ。
彼らはそれが縁でスネークが運営するMSFに所属し、そして今ではMSFが起業した警備と運送業と重機開発を行う日本支社(アームズテック)の社長で結構有名だ。
そう考えるとシオンは結構良い所のお嬢さんとなるのだが、それは完璧に余談であろう。
「それもそうでしょう。そうでなければ私もこの場にスネークさんをお通しするつもりはありませんでした。
長い前置きは冗長でしょうから単刀直入に行きましょう」
アンゼロットは紅茶を置き、正面に並ぶ3人の男達を見る。
「スネークさん、ナギさん、そして石動さん」
3人の名前を呼び、僅かに目を瞑ってから改めて強い意思を秘めた瞳で3人を見る。
「世界は今、確実に滅びへの道を歩んでいます」
「「な、なんだとっ!?」」
驚愕する二人の英雄。しかし一人だけ平静を保っている男が居た。
石動だ。
「……なるほど」
別に平静を装っているわけではなく『想定の内』だっただけなのだ。
そもそも、現在のFTAの人間達の『歩み』そのものが既に『滅びへの道』を歩んでいる言える。
少なくとも石動は常々そう感じていた。
「人間ならば暗躍している魔法使いや魔術師、死の商人達や欲に目が眩んだ権力者。人間以外なら侵魔や敵対的来訪者やゴースト等々って感じか?まぁ権力者とか死の商人ってのは俺の先入観だけど」
この先入観はイルヴァでの生活や『日本』に帰還してから暇なときに時々読んでいたライトノベルの影響が多いだろうなぁと内心苦笑しながら石動は言う。が、時として事実は小説より奇なり。
「ほぼ正解ですね。1981年のヤムスクでのソ連が起こした事故。1986年の同じくソ連で起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故…という事になっている魔道実験の事故を切欠に本来では存在し得ない様なテクノロジーの急速発達、そして加速度的に悪化する世界の敵たる存在を弾く世界結界の弱体化。悪化する宗教戦争や某国で加速する民族浄化、大国間の利権争いからなる戦争。世界や人間を狙い跳梁跋扈する人外。正に世紀末、ですね」
「……まさか、チェルノブイリの真相がそれだと?」
「我々ウィザードの側でも極秘にしている事項の一つです。詳細はコチラの書類をご覧ください」
そういってアンゼロットは何時の間にか持っていた厚い書類をスネークに手渡す。
「……この場で読みきれと?」
受け取り、その厚さを見て顔をしかめる。
横に座っているナギが書類を興味深そうに見ているので『今だけ』という条件付で彼に渡して読ませている。
「お持ち帰りならばこちらのCDにデータが入っていますのでお持ち帰りください。公表さえ避けていただければ後は構いませんわ。広めたところで世界結界の影響で人々はその認識をやはり核施設の実験の失敗、としか認識できないでしょう。貴方の様に世界の真実に受け入れることの出来る人間以外には意味の無い情報です」
その言葉は100%が真実と言うわけではないが、間違いでもない言葉だった。世界結界は人々の認識を歪める。
見える非常識を見える常識の範囲に変えて認識させる。
その影響を受けないのがウィザードであり、能力者、異能者といわれる超人たちだ。
「そして、ウィザードといっても魔法使い、魔術師と言った人間全てがウィザードと分類されるわけではありません」
人類の仲で一握りの、一定レベル以上に達した人間がウィザードとして覚醒する、とだけアンゼロットは語る。
力だけではなく、見えざる何かに導かれるのがウィザードであり能力者たちだと。
「では、俺も……そして彼もウィザードだと?」
スネークは自身とナギを指して尋ねる。
「んだな、一定レベル以上の実力を持つ魔法使いや超人的な能力を持つ様々な人間を一括りにして『ウィザード』と呼んでる。この超人的なってのは魔法使いに限らず剣士だったり格闘家だったり色々とあるみたいだけどな」
余談ではあるが、かつて『紅の翼』に所属していたメンバーは全員が『ウィザード』でもあったのは言うまでもない。
「それで、重要なのは『何故』オレ達にコレを『今』知らせたのかってことだ」
「それは……そうですね、石動さん。何でだと思いますか?ヒントは石動さん自身と世界結界です」
「俺が答えるのか!?まぁ良い、クイズだと思ってやってみるか……ちょっと待ってくれよ」
ナギの問いかけにアンゼロットが無茶振りし僅かに困惑しつつも石動は即座にヒントを脳裏に浮かべ、更にこの世界に含まれている『設定』を思い返しながら思考する。
「(俺自身は……イルヴァから『日本』を目指してやってきた人間だよな?んで、世界結界は超常や異能を常識的な何かに置き換える結界。……何か忘れてるな。世界結界の単語から連想できる単語は何だ?ウィザードと能力者?彼らから連想するのは?魔法と超能力。これだけじゃない、そうだゴーストとエミュレイター、後は魔王と来訪者!基本的にこの『世界の外』からやってくる奴等で世界結界はそもそも奴等に対するファイアーウォール。ん?世界の外から……?って事は本来は俺も弾かれている筈?……なるほど、詰まりは俺自身が世界結界弱体化の証明なのか)」
そこから段々と理解していき、なんとか纏まった所で自分自身と世界結界に関して2人に説明する。
更に来訪者とエミュレイターに関しても触りだけ伝える。
「……と言う訳で、既に世界結界はだいぶ弱くなってるってワケだな」
「その通りです。それによって銀の雨が降り注ぎ、地上に数多存在する人々や動植物たちの残留思念が異形の怪物(ゴースト)と化し、更に一部の生命体にも変質を与えていると言う報告が届いています」
アンゼロットの言葉にナギとスネークの両者は驚きを隠せない。
今までとは違う敵、ゴースト。
更に現れると宣言された敵も居る。
「ヘッ!面白いじゃねぇか!どんな敵だろうとぶっ飛ばしてやるぜ!」
というナギに対し、スネークは自身に出来る事は限られていると実感していた。
なぜならば、彼自身の年齢に起因する。
「ならば、コチラは人材を育てよう。どの様な事態になるかは見当もつかんが、それでも後進を育てるの必要があることは代わらん」
「えぇ、ビッグボスはそのようにお願いします。貴方の所の兵たちはみな優秀であるという話は聞いています。なにせ、弱っていたとはいえ、そこの魔王の領域にあそこまで入り込んで無傷ですんでいたという話を聞いていますし」
「私自身が弱っても私の知る技術が弱るわけでは無いからな。それを考えるとあの包囲網を突破してあそこまで悟られることなく接近できたお前の部下は誇っていい」
と、誰よりも偉そうにいうマルファス。
一般人よりもオーラは出ているのだが、ここに居るのは並みの一般人をはるかに超える逸般人と女神の居る場所だ。
よく言っても普通だな、程度にしか見られない。
そして、中学生から高校生ぐらいに見える美少女然とした様子から「まぁ、こういうのも居るよな」程度に見られてしまった。主にスネークに。
「さて、こちらのマルファス・ハルファスですが技術力、学習能力は一級品。戦闘能力は……現時点では並、ですけど。彼女を地上で研究が行える部署に配置したいと思っています」
「……それって麻帆良に?」
「もう一つ候補が出来ました。それは……」
そういってアンゼロットが見たのはスネークだった。
「ウチか。確かにMSFではASに加え独自の機動兵器(メタルギア)を開発しているしな。部署的には問題はないだろう」
「むむ、それならば私はそちらを──」
「麻帆良でも大学で色々と研究をしていたな。特にアンブラ社のブルームっていうウィザード向けの新兵器だったか、それに対抗したケインって武器」
なんでも魔女の『箒』では魔女狩りを強く思い出して縁起が悪いと騒ぐ魔法使い、特に魔法世界関係者たちがそう騒いだのだ。
そして、対応しようとしないアンブラ社に業を煮やした地球側の組織は麻帆良にその開発を委託。
魔法使いなら杖だろ!という意見からケインシリーズの開発を開始。
今までの魔法発動媒体よりも効率化と武器としての側面を強くすると言う設計思想で開発中である。
という情報をナギはマキ経由で齎されていた。
「というか何でマキさんがそれを知ってるんだ?」
「そりゃ、ケインの第一開発者がマキだし。もっとも、原型となってるコレ、俺の杖を作り終えたら作るの大変だったからもう勘弁って言って完全に投げちまってるけど」
と、ネタばらしをするナギ。
一見すると普通の樫の木で作った様に見える杖だが……。
「例えばこうするとだな…ハッ!」
天辺の部分から魔力の刃が出現し、即席の槍となった。
「他にも、発動媒体としちゃ優秀だしおまけに消費効率がよくなるから大分烈戦争の時もこれには世話になりっぱなしだったぜ」
「へぇ、結構長いこと使ってるんだ」
「まぁな」
自慢げに語るナギ。
「ついでに、マキが働かなくて済むのはコレを始めとした色々な作品のライセンスを売りに出したからだ。俺の場合はそれ以前の戦いとか賞金首狩りで金稼いだから余裕があるって話しなんだけどな」
「ただ、その稼ぐ時ももう少し周囲を気にしていただければ後始末も情報操作も楽だ、と言うのがこちら側にいる方々の方達の思いらしいですが」
といって自慢げなナギに釘を刺すアンゼロット。
魔法世界ではなく地球で起きたことならばアンゼロットの耳に入っていてもおかしくはないだろう。
「まぁまぁ、そういうなよ。オレがいなけりゃもっと最悪の事態になってた事だっていっぱいあんだろ?」
「……とにかく、自重は忘れないようにお願いします」
そういって、何時の間にか新しく淹れ直されていた紅茶を飲むアンゼロット。
「(やべぇ、何時の間に茶を淹れなおしたのか全く理解できなかった!)」
と、石動はさり気無くアンゼロットの給仕をこなしていた、影の薄いロンギヌスに戦慄したのだった。
その執事スキル、まさにパーフェクト。
石動の視線に気付いたのか、フッと笑みを浮かべ軽くお辞儀をしあくまで控えめな態度を取るのだった。
そんな事をしている間にマルファスの処遇が決まった。
マルファスは麻帆良とMSFの日本支部の技術部に週毎、或いは月毎に行き来し研究に参加する事になるそうだ。
麻帆良での研究に関してはナギ経由で近右衛門に話を持っていくようだ。魔法世界の英雄が認めた人物ともなればそれだけで麻帆良では信頼されるだろう。
MSFの方はスネークがCEOなので、スネークから声をかければそれだけで人事は通るようだ。
まさに職権乱用である。だが、勿論最初はペーペーの研究員からスタートと言うことらしい。
「で、麻帆良に滞在する時と、どこにあるかは知らんけど、その日本支部に滞在する時の滞在先はどうするんだ?」
「そういえば、まだ決まってないわね」
どうしようかしらと言うマルファスにナギが口を開く。
「麻帆良でならここの部屋を貸してやりゃいーじゃねーか。余らせてんだろ?」
「まぁな。でもMSF日本支部の方は?」
と言って石動が頷きつつスネークに話を振ると。
「一応、コチラでも寮を貸しとるが基本は男性寮のようなものだ。女性が住むには少し厳しいな」
と、残念な報告が。
「別に私は構わないわよ。不埒なことをする奴がいてもプラーナ吸ってお仕置きすれば良いだけだし。あぁ、勿論加減はするわよ?こんな事で討伐対象にされたくないもの」
とマルファスは言う。
アンゼロットが口を挟んで釘を刺そうとしたところで。
「ふははは!そうだな、ウチの奴らは活力が余ってるからそれぐらいで良いかもしれん!まぁ、勿論死なせられたらコチラも対処せねばならん。そこだけは肝に銘じておいて貰おう」
とスネークは笑いながら言う。
その時の顔は口許は笑っているが目が全く笑っておらず、歴戦の戦士のみが持ちうる凄みの利いたものだった。
「さて、もう一つお話せねばならない事があります」
アンゼロットが今までよりも真剣な表情で告げる。
「この世界は、とある広域次元犯罪者組織によって狙われています」
それは今後十数年以上に渡る長い戦いの始まりを告げる言葉だった。
現時点でそれを正しく認識しているのはアンゼロットとロンギヌスの男以外はいなかった。
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*Result!*
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※石動のコネクションに以下の人物が追加されました。
宇津木愛美(腐れ縁・電波)、BIGBOSS(知人・興味がある)、紅の翼の面々(知人・友人)
※ExtraUnit 転生者の魔王マルファス・ハルファス(クラス:転生者/アタッカー 属性:火/風)が参戦しました!
麻帆良とMSF日本支部(海鳴)での活動がメインとなります。
※マルファスのコネクションに以下の人物が追加されました!
石動進(知人)、ナギ・スプリングフィールド(知人)、BIGBOSS(雇用主)
※ExtraUnit 伝説の傭兵BIGBOSS(クラス:忍者/ディフェンダー 属性:虚/地)が参戦しました!
世界各地を依頼を受けて飛び回ります。
※BIGBOSSのコネクションに以下の人物が追加されました!
石動進(知人・興味がある)、ナギ・スプリングフィールド(知人・興味がある)、アンゼロット(知人)
マルファス・ハルファス(部下)
※ExtraUnit 千の呪文の男ナギ・スプリングフィールド(クラス:?/アタッカー 属性:冥/風)が参戦しました!
家庭の都合で京都に滞在・居住してます。
※ナギのコネクションに以下の人物が追加されました。
BIGBOSS(知人・興味がある)、マルファス・ハルファス(知人)、アンゼロット(知人)
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