桐生タイムス | 時間外診察費3360円 厚生病院が周知へ“出前講座”計画

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時間外診察費3360円 厚生病院が周知へ“出前講座”計画

2010-12-11

 桐生厚生総合病院(丸田榮院長)は来年2月1日から実施する「時間外診察費特別料金」の周知徹底を図る。すでにホームページなどでアピールしているが、加えて、同料金設定に至った実情を説明する“市民向け出前講座”の開催なども検討している。実施されてから「そんなの聞いてないよ」という声が上がるのをできるだけ少なくしたい考えだ。
 同病院は2次救急病院。入院や手術が必要な重症患者は24時間・年中無休で対応している。が、ここ数年、時間外の軽症患者が増えてきた。
 「軽症の多くの人たちが夜間や休日に来院し、当直の医師たちは、症状の軽い患者の診療に当たる機会が多くなり、本来の緊急を要する患者の診療にさまざまな支障が生じている」という。
 特別料金の設定は、こうした“時間外の軽症患者”を抑制するのがねらい。同病院を運営する桐生地域医療組合議会の10月29日の定例会で導入を決めた。同様の特別料金は、群大病院(4200円)や前橋日赤病院(3990円)などですでに実施している。
 桐生厚生の特別料金は3360円。徴収されるのは、平日の夜間(午後5時半〜翌日午前8時45分)と休日(土・日曜、祝日、12月29日〜1月3日の年末年始)で、(1)入院の必要がない(2)他院からの紹介状がない(3)緊急処置が必要ない─と判断された場合。
 2月1日から、通常の診療費に加えて、この3360円がかかることになる。
 同病院はホームページに「『救急医療を守る取り組み』についてのお願い」と題して、この時間外診察費特別料金について説明している。
 この中で同病院は「緊急性や重症度の高い救急患者さんへの治療を優先させ、『コンビニ受診』や『救急車をタクシー代わりに利用する人たち』への対策を進めるため、やむを得ず取った措置」と理解を求めている。
 が、これだけでは周知が不十分という意見もあり、院長ら幹部が市民に向けて直接、実情を説明し、理解を求めるための説明会を開催することも検討している。
 公民館などを借りて聴講希望者を対象とした出前講座形式になるのか、区や町会の役員など参加者を限定した説明会形式になるのかなども決まっていない。が、丸田院長は10月29日の医療組合議会の際に「必要ならば開き、説明したい」と話していた。
 また、同組合議会の議員の一人も「どれだけPRしても、受診して初めて知る人がいると思う。その混乱を避けるためにも、現状を知ってもらうためにも、できるだけのことはしておいたほうがいい」と話している。