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余部道路が12日開通 地元は期待大、通過懸念の声も
鳥取豊岡宮津自動車道のうち、兵庫県香美町香住区森と同区余部を結ぶ余部道路(約5・3キロ)が12日開通する。カーブや急こう配、道幅の狭い部分が多く、特に冬場の積雪期には難所となっていた現道(国道178号)に比べ、所要時間も約6分短縮。地元にとっては待望の開通になる。車の流れの変化による影響を懸念する声もあるが、安全性や利便性向上、交流人口増大への期待は大きい。
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12日の開通を目前に控え、仕上げ作業に追われる関係者ら=10日、香美町香住区余部 |
余部道路の終点に位置する余部地区では10月下旬、生鮮食料品などを地区で唯一扱っていた店が閉店した。高齢者などの買い物対策が急がれる中の同道路開通に、地区連合自治会の山本美津男会長は「乗り合わせや運転ボランティアを頼むにしても、道の状態を考えると特に冬場は問題があった。開通により(交通弱者の)対策も考えやすい」と歓迎。
「もちろん救急医療や観光、通勤、通院など、あらゆる面でありがたい」と強調する。
観光面では余部だけでなく、山陰海岸のジオサイトを結ぶ役割も担う。香住観光協会の清水浩仁会長は「ジオパーク全体の活用を考えると、移動時間短縮などは大きな利点」と期待する。
ただ、開通済みの香住道路(同区森―同区下岡、6・2キロ)と余部道路がつながったことで、車の流れは変化も予想される。
区内中心部・香住漁港周辺に並ぶ海産物の販売・飲食店。関係者の中には、これまで両道路の接続地点の香住インターチェンジ(IC)で一般道へ降りていた車がそのまま通り過ぎるなど、ストロー現象を心配する声もある。
日本海フーズ「カニ市場」の山田直弘店長は「予約客や目的があって来る人以外は、わざわざICを降りない。飛び込みの客が減るのではないか」と話す。
一方、現道の国道178号沿線に位置し交通量の減少が見込まれる下浜民宿街でも同様の懸念はあるが、開通区間が短く、予約客中心の宿が多いこともあって、危機感を訴える声は大きくない。
下浜観光協会の松井沙敏会長は「今は舞鶴道の無料化実験による影響の方が痛い。ただ、ふたを開けてみないと分からない部分はあり、状況によっては看板設置など対策を考えたい」と話している。
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