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【経済】

中電電圧低下の原因は変電所ショート 

2010年12月11日 00時29分

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 中部電力は10日、三重県北部を中心に8日発生した瞬時電圧低下について、四日市火力発電所(三重県四日市市)にある変電所の開閉装置内の電気ショートが原因だったことを明らかにした。変電所から原因の開閉装置部分を切り離し、メーカーで詳しい原因を調査する。

 ショートは変電所内の電気の流れを切り替える開閉装置内で発生。この装置には直径約10センチの電線3本が通っているが、何らかの理由で3本の電気が交わりショートした。3本の電線は、絶縁体となる六フッ化硫黄ガスで満たされた直径約一メートルの配管の中を通っているため、通常は電気が交わることはない。11月25日の巡視点検では異常は確認されなかったという。

 電圧低下は、ショートにより開閉装置内の電圧がゼロ近くにまで下がり、別の箇所を流れる電気がその装置内に一斉に流れ込んだため生じた。

 電圧が低下した0・07秒は、不具合箇所を自動遮断して電線を切り替えるまでに要した時間。電線3本のうち1本でもショートを免れていれば、電圧低下はある程度軽減されたが、3本ともショートしたため、落ち込み幅が大きくなった。

 低下の割合は同発電所から約15キロ離れた西名古屋変電所(同県桑名市)で約6割減、約35キロ離れた南大垣変電所(岐阜県輪之内町)で約半減した。中電は「隣接する四日市コンビナート内では電圧が6割以上低下した施設もあると考えられる」と説明。電圧低下幅に比例して、電子機器への影響も大きくなるとされ、コンピューター制御の生産ラインを導入している大規模工場で被害が拡大したとみられる。

 2009年3月には川越火力発電所(三重県川越町)で、同様の電線のショートによる電圧低下(0・04秒間)が発生した。中電は、年間の電圧低下件数が最近10年平均で約340件に上ることを明らかにしたが、「ほとんどが落雷などの自然要因で、影響は局所的だった」と説明している。

(中日新聞)

 

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