【第1巻】
主人公・都築巧は普通の男子高校生。人助けが趣味でそのため時折出奔する姉、都築乙女が営んでいる『洋菓子専門店ストレイキャッツ』の手伝いをしている。
経営はいささか厳しい状態だが、バイトしてくれる幼馴染の激ツン美少女・芹沢文乃や、ロリ可愛いスーパーセレブ・梅ノ森千世、そして親友の菊池家康・幸谷大吾郎の協力によって、賑やかで楽しい毎日を送っていた。
そんなある日、乙女が人助けの帰りに拾ってきたものは、なんと正体不明のクール美少女・霧谷希だった。
行く所のない彼女を追い出すわけにもいかず、突然降って湧いた見知らぬ女の子との同居にドキドキの巧。
お約束(?)のハプニング・風呂上り鉢合わせなどを経験して、巧と希の距離は少しずつ縮まっていく。
2人の様子に、巧のことが密かに思っていた文乃の心は、強がりながらも切なく揺れ動く。
台風直撃の日。乙女の不在により、巧と希は2人きりになってしまう。
それを知った文乃はついに恋心を爆発させ、豪雨の中、ストレイキャッツへ戻って来る。
3人で過ごすドギマギの夜。停電で真っ暗になった部屋で、文乃は巧の手を握る。
希も同じように巧の手を握っていたが、文乃の恋心に気付き、彼女の迷惑になりたくないと、こっそりストレイキャッツを出て行ってしまう。翌朝、巧は希が出て行ったわけが分からないまま千世たちと協力して希を捜す。
文乃ももちろん希に帰ってきて欲しいと思っていたが、希が出て行った理由と、彼女の思いやりに気付いて――!?
果たして、巧は希を見つけることができるのか? そして、文乃の恋心の行方は――!?
【第2巻】
希がストレイキャッツの一員になった頃、梅ノ森千世が立ち上げた『名無し同好会』が本格的に動き出す。活動内容も決まらず、お嬢様であることを家康に疑われた千世は、同好会メンバーを引き連れてセレブパーティに参加することになる。ドレスアップさせられ見たこともないような上流の世界に触れる巧達。そこで出会ったのは、超セレブ美少女の『竹馬園夏帆』。それが事件の発端だった。
同好会をもっと盛り上げ、巧たちと親密になりたい千世は、『ストレイキャッツ』のせいで忙しい巧達に不満と不安を感じていた。より仲間になるためにはと囁かれる夏帆の言葉に、『パティスリー梅ノ森』を作り、巧たちを引き抜こうと計画する。新店舗が『ストレイキャッツ』のそれでなくても危うい経営を圧迫かるが、それが巧達みんなを幸せにできることだと信じて、千世はがむしゃらに邁進していく。千世のいつもとは違う種類の強引さに首を傾げる巧たち。そして、千世が変になった理由が夏帆にあると気付く……!!
大切な仲間を取り戻し、ストレイキャッツを守るため、町内会の水着コンテストに出場する文乃と希。
千世もパティスリー梅ノ森の宣伝と称して出場することを知り、巧は家康とともにコンテスト会場を疾走する。
果たして、巧たちは千世『同好会を作った本当の理由』に気付き、彼女を取り戻すことが出来るのか?
そして、水着コンテストとストレイキャッツの運命は――!?
【第3巻】
千世がストレイキャッツの仲間としてバイトを始め、彼女の立ち上げた『迷い猫同好会』の人助け&オタク活動が軌道に乗り始めた頃、季節は秋を迎え、梅ノ森学園では体育祭の準備が始まっていた。
巧のクラス委員長・鳴子叶絵や、ノリのいい梅ノ森学園の生徒はすでに大騒ぎ。
千世が『梅ノ森学園の女子の体育着をブルマにする』と宣言したことにより、生徒達は『ブルマ派』と『スパッツ派』に分かれて更にヒートアップする。
それぞれの派閥のリーダー・千世と文乃は、どっちつかずの巧と希に決断を迫る。
しかし、自分が一方を選ぶことで、文乃と千世、どちらかが傷つくのではと思った心優しい希は、
2人を仲直りさせるために、全く新しい勢力・ブルッツ派としてひとり立ちあがる――!!
抜群の運動能力を駆使して、ブルマ・ブルッツ派を打ち負かす希。見事に2人を仲直りさせる。
そして『体育祭は巧と一緒に二人三脚に出たい』と、希が言いだして、文乃と千世は大パニック!!
そんな中、希が家出してきた施設の所長・村雨四摩子が、彼女を連れ戻すために乙女と接触する……!!
果たして、希は施設に帰ってしまう事になるのか? そして二人三脚の行方は――!?
【第4巻】
体育祭の一件で、文乃・千世・希は『巧が好き』とそれぞれ確信する。
しかし、色恋に鈍感な巧はそんな彼女たちの変化に全く気付いていないようで、恋のトライアングルは未だ機能不全を起こしたままだった。
それでも文乃たちの恋心は燃え上がるばかりの季節は冬。三人はクリスマスに向けて、巧に何をプレゼントするかで頭がいっぱいになる。
そんな中、ストレイキャッツに更なる迷い猫・女装美少年のクリスが乙女に拾われてやって来た。
クリスに頼まれ、kaoruなる人物を捜し始める迷い猫メンバー。
捜査はなかなか進展しなかったものの、外国人の男たちがクリスを追ってきたり、
来日中の世界的歌手・エマ・ロンドがコンサートを中止して鈴音町にやって来るなど、巧の周りは相変わらずドタバタ大騒ぎ。
大混乱の末、クリスは自分が日本人とアメリカ人のハーフであり、エマ・ロンドの息子であることと、
『捜しているkaoruは、自分の父親』である事を告げる。会ったことのない父親『kaoru』に、どうしても会ってみたい。
そんなクリスの告白を聞いた巧たちは、改めてkaoru捜しに協力すると誓う。
果たして巧たちは、クリスと父親をクリスマスイブまでに会わせる事ができるのか――!?
そして、クリスがkaoruに渡したかったものとは一体――!?
【第5巻】
クリスの父親捜しの一件で、巧は足を骨折してしまい入院することになってしまった。
当然のように『誰が巧の看病をするのか?』で、文乃・千世・希は大騒ぎ。巧が入院しても、恋の火花は散る一方。乙女も巧のために、好物(と乙女が信じている)バターケーキを毎日持参し、家康と大吾郎もやって来る。賑やかな病室には、なぜか竹馬園夏帆もナース服で巧の看病に参戦。
しかも夏帆は、新学期に梅ノ森学園へ転入してきて、クラスメイトの藤野珠緒と迷い猫同好会に入部するのだった。
突然の急展開に、文乃・千世・希は大慌て。
更に珠緒までもが巧に急接近してきて、彼女も巧が好きなのではないかと疑いを持つ。
バレンタインデーが近いこともあって、文乃たちの気持ちは超不安定。
それでも巧に最高のチョコレートを渡すため、互いに励まし合って頑張るのだが、夏帆が文乃に『本命に渡すためのチョコレートを、みんなには内緒で作ってほしい』と頼んで来て……?
果たして、夏帆がチョコを渡したい相手とは? 珠緒は本当に、巧のことが好きなのか?
そして、文乃、千世、希は、巧のチョコレートを渡せるのか!?
2月14日。迷い猫達による、甘くてちょっぴりビターなチョコレート戦争が繰り広げられる……!!
【第6巻】
バレンタインデーのドタバタを経て、迷い猫同好会のメンバー・大吾郎と珠緒が恋人同士になった。
しかし、文乃・千世・希の恋模様はまったくと言っていいほど進展せず、ストレイキャッツで相変わらずドタバタ大騒ぎの毎日。
迷子の『ハギノミカ』ちゃんの母親を捜したり、珠緒に頼まれた『卒業ライブ』を手伝ったりと、毎日全力で鈴音町を駆け回っていた。
3月の卒業式、文乃たちは『卒業ライブ』を大成功させ、笑顔で珠緒と夏帆を送りだす。
ちょっぴりシンミリしたが、鳴子叶絵が新たに迷い猫同好会に加わることになったり、夏帆の提案で、卒業旅行と称して彼女の豪華な別荘へ遊びに行ったりと、賑やかさに輪がかかっていく。
でもどんな時でも女の子たちの『恋の駆け引き』はやっぱり存在するもの。
文乃は夏帆の『本当の気持ち』に気付き、叶絵は巧に『文乃、千世、希の誰を選ぶのか』問う。
叶絵に指摘されて、巧は初めて彼女たちの恋心と、将来の自分に目を向ける。
そんな中、夏帆が巧に『一緒へドイツへ行かないか』と、提案してきて――!?
女の子達のアプローチによって、激しく揺れる巧の気持ち。
その度に、文乃の恋心と仲間を思う気持ちも切なく揺れ動く。
果たして、巧はどんな決断を下すのか!?
そして、文乃だけが気づいている『夏帆の本当の気持ち』とは一体――!?
軽井沢の卒業旅行をきっかけに、迷い猫たちの恋がついに動き出す……!!
【第7巻】
夏帆が提案した卒業旅行がきっかけとなり、文乃たちの気持ちに気付いた巧。
しかし、彼女達に相応しい男になるまで返事を保留して、ふがいない自分に立ち向かうことを決意したのだった。
季節は4月。千世と家康の力によって『迷い猫同好会』には、1年生が殺到していた。
大勢の入部希望者に千世は大喜びだが、他の部活からは不公平だと大ブーイングが起き、結局、生徒会長の要請によって、入部試験を行うことになる。
高度かつディープなオタク問題や、常人には真似できないような体力試験に、お祭り騒ぎの試験会場。
巧も新入生のお手本として参加することになり、トイレの詰まりを直すスッポンを必死で捜し求める……!
大混乱の末、合格者として選ばれたのは、たった2人――『十和野心』と『柴田仁』だった。
新たな仲間を、温かく迎え入れる巧たち。しかし、心は『友達の付き添い出来ただけ』とつれない態度をとるばかり。
どうすれば彼女の心を開くことができるのか、巧たちは一生懸命考えて『新入生歓迎のティーパーティ』を開くことにする。
他の部活や生徒会、おまけに新入生たちも参加して、ティパーティの準備を始める。
心と作業を進めるうちに、巧と彼女の距離は少しずつ縮み始める。
それから他愛ないオタク話に花を咲かせているうちに、巧は心が『腐女子』だと気づくのだが、彼女は強く否定するばかりか、アニメなどに興味は無いと慌てて言い出して――?
果たして、心が自分の好きなものを必死に否定する理由は?
巧たちは心の本当の気持ちにたどり着くことができるのか――!?