2010-09-14 22:09:59
玉ねぎ涙
テーマ:ブログ
ねえ君よ僕は泣けないから
男だから
君を愛し
君に愛された
世界一の男
ねえ
君よ僕は泣かないから
君と別れ
いくつもの季節を歩んできた
一人でいる事の寂しさと
一人だけの部屋で
あの日の料理がおいしいよ
ふと
キッチンを見つめ
君を失った悲しさに
胸が痛いよ
この世界には
不幸が転がっている
いくつでもいくらでも
毎日が
毎日が
戦い
胸にしまいこんだ痛みを
聞いてくれる人もいない
いつかみたいに
海岸に
意味もなく
ドライブもしない
僕は悲しくて
僕は寂しくて
僕は苦しくて
君に会いたい
君がほしい
だけど男だから
君のいないキッチンで
転がってた
町中に転がっていた
玉ねぎを
何気なく
何気なく
きざみ続けた
君思い
君思い
悲しくて
切なくて
懐かしくて
知っていた
知っていた
泣いちゃだめだと
絶対泣いちゃ
駄目なんだ
涙溢れだす
目が滲む
違う
これは玉ねぎのせいだ
僕は泣かない
でもこれは何
教えてよ
スウィートハニー
君なんだ
分かったよ
君を今でも愛してる
簡単なことだった
玉ねぎが教えてくれる
意地なんか張らなくたって
涙が教えてくれる
愛を
僕の玉ねぎのように
2010-09-14 15:04:41
宛先のない手紙
テーマ:ブログ
今日僕はここにいるよ
君は今どこで何を
この手紙を
川に投げる
君に送るよ
君と別れたのは
もう
だいぶ昔
よく見つめていた
気づいていたはずだけど
背中は熱かったはずだけど
僕に見せた笑顔は
三回だけで
それが僕の
青春の最高の
スケッチと
今でも
心の美術館に
大切にしまってある
ボイスレコーダー
忍ばせて
五回だけの会話
今でも再生ボタン押せば
あのまま流れてくるよ
今日は何故
君に手紙を書いているのか
分からないよ
分かりたくないよ
明日
明日
結婚するんだ
君だけを
思い描いてた
君だけを
信じてた
ずいぶんセルフィッシュ
青春と男があったもんだって
誰と一緒にいても
思い出した
頭の美術館
勇気なんて持てなかった
あの日々が憎たらしい
君も今はどこかで幸せに
僕のことなんて思い出さない
そんな事分かっているから
この手紙を書くよ
届かないけど届くんだ
僕の心の中の君へ
さよならを言うんだ
少し目を濡らして
さよなら君
そして
さよならマイ青春
2010-09-14 00:29:44
高校卒業の日
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俺はいったい
風に聞いたのさ
春の風
どこに行けばいいかって
カーネーションを
一本貰った
線路に投げつけた
卒業証書
びりびりに破いた
あの人の写真のついた
アルバムは
開かずに
ポストの上に置いてきた
ちょっと気取ってな
部室に寄った
駄目部員
幽霊部員
人形を最後に投げた
背負い投げで
きっと自分を
投げたんだろう
笑いあう女子
泣くのをやめない人
感動してたんだろ
遅刻常習
煙草常習
万引き常習
全教科三年間
赤点
友達
いたのかいないのか
恋人なんかいる訳ない
浪人決定
何も悲しくなかった
何も嬉しくなかった
誰も祝ってくれなかった
あの日の記憶はない
でもあの日々の事ばかり思い出す
悪魔が魂と引き換えに
望みを聞いてくれるなら
高校の入学式に戻る
あそこで勉強なんか
しちゃいねえ
でもとてつもない何かを
見つけていたと思う
とてつもない出会いが
あったと思う
とてつもない恋を
したと思う
でも
あの卒業式は
全てをあいまいに
しちまった
何を望んでたんだろな
化け物青年だったから
どこ行っても
心の隙間が
埋まらねえ
今でもあのころの夢を見る
夢を見ていた夢を見る
もう夢は見れなくなったから
何を卒業したのだろうか
それすらも分からない
今なら分かる
青春を卒業した
今だから
束縛から解放され
自由になった
その自由が
どれだけ恐ろしいとも知らず
あの日の帰り道
煙草に火をつけた
狼煙が上がった
悪魔が俺に
標的を絞った
二年後発狂した
自由を知ったから
分からない
もはや何の記憶もないから
只あの日の帰り道
別れを告げた
思春期と下らない友情に