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もう
いいんだ
夏の風は吹かない
蝉は鳴かない
いつかの
がむしゃらだった僕はもういない
何を求め
君だけに
僕の意味を
つけてもらっていたから
あの花の意味のように
一人つぶやいた
自分の悲しみだけ
僕はいったい何を
すればよかったと
愛すれば
それが答えだとしても
僕は君を愛していたんだ
暑かったあの夏も
熱かったあの思いも
もう覚めてしまったんだね
秋風が吹く
君を愛してた
僕は何だった
吹かれてゆくよ
めぐる季節の中で
誰かを愛しながら
後悔なんてしない
只吹かれてゆくよ
秋風に吹かれながら
涙も吹かれながら
どんな事があっても
どんな人に会っても
きっと愛は持たないよ
今日は電車に乗らなきゃならない
３番ホームから
ゆく当てのない旅へ
最後に君と別れた
あのホームから
もちろん君は来ない
でもいるんだ
ここにいるんだ
今日だけはいるんだ
瞳を閉じると
ちゃんといるんだ
愛してるも言えなかった
抱きしめる事も
キスも
隣のいすに座った
君の手の上に手を重ねただけ
もしかしたら
君は彼女でも
何でもなかったのかもしれない
夢の中の住人
もう顔も覚えてないかもしれない
青春って何だろう
愛じゃないかな
何かをひたすら愛する
音楽でも
文学でも
人を愛する事でも
僕が君を十年間愛し続けたように
だいたいがさ
何も報われないんだよ
僕みたいにね
でも挫折の時
きっと涙が流れるんだ
ほら
今の僕みたいに
もうここには
君と言う愛の場所には
いられない
どこに行こうか
目がかすんで
行き先が見えやしない
さよなら青春
さよなら愛
そして
さよなら君
今日が僕の
愛と青春の旅立ち
何を言えばいいかなんて
分からないんだ
僕が不器用なのは
君が一番知ってるはずで
僕の存在の証明は
君だった
別に神も仏も信じない
誰にも感謝なんかしない
それでいいんだ
こんな複雑な世の中
息苦しいのにも程があるから
親ももういない
イルカもしないけど
もういない
僕は一人だ
さよならなんだ
どこへ行けばいいのだろう
ルーマニアにでも行って
いつかのジプシーに
音楽ならって
物乞いの真似事でもするか
正直な話死にたい
ここに居場所はない
全ての欲求は満たされた
僕の欲求って
つまるところ
君と死だ
君は新しい
僕の存在の
芽を内包し
究極の自己表現としての死が
僕を待と構えている
馬鹿かしいのさ
死んだら終わり
でもなぜか
こんな事書いてる
でもなぜか
君の涙をぬぐった
なにが目的で
何のために生きるべきか
只一つ問いたい
愛が全てでないですか」