2010-12-11 【コラム】欧米で成功している日本人

昨日の話だけど、別にみんなが捏造しているわけではありません。むしろ、ミスリーディングはできるだけ避けようとしています。
しかし、ここぞと言うときにどうしても欲しいデータが出てくるのは確かで、そういうとき意外にもこちらのPIもかなりのプレッシャーを学生やポスドクにかけてきます。
そういうとき、学生側は自分の将来もかかっているから、ちょっとしたmisconductをすることもあるわけです。
日本だと、こう言う時こそボスは慎重になって、生データを見せろと学生に言うでしょう。
でも、こっちのボスはニコニコ喜んでそんなものは要求しません。
で、あいつは出来る奴だ。Good guyだと評価します。
日本人がバカ正直に、その仮説は間違っていますなんていおうものなら、おまえは駄目だ、クビだというわけです。
それに輪をかけて、状況を悪くしている欧米の仕組みがあります。こっちのキャリアパスでは卒業する大学、次に進む大学院、その後のポスドクと常に新しい環境に行くのが望ましいとされています。日本みたいにその三つが全部同じ大学なんてことはほぼあり得ない。
つまり、何か黒いことをしてしまっても、その業績に対する評価や研究内容は学生本人にはほとんどついてこないのです。
でも、たまにやらかしすぎて、すぐに嘘がばれる論文があります。そういうのはすぐに噂になって拡がるので、誰もその話を仮説の元にして実験はしません。ところが、それはお酒の場所での噂話なので、直に会う知り合いでなければ知ることの出来ない情報な訳。
当然、日本に引きこもっていると、そんな情報はやってこない。
結果、間違ったストーリーを軸に仮説を立てるものだから袋小路に入ってしまう。これも日本からCNSが出ない理由の一つでしょう。
さて、そんな欧米で成功している日本人がわずかながらいます。
そういう人に共通することがあります。(もちろん、例外もあります)
まず、ほぼ100%前のボスに気に入られています。これ、どういうことかわかりますよね。
その前提として、凄く開けっぴろげに見えて、ファンキーで陽気です。
要するによくいる日本人みたいに寡黙で黙々となんてタイプではありません。
まぁ、運良く壁にぶつからなかった人もいますが、稀でしょう。また、本人はMisconductしていないと思っていても、その実験系の外側でだまされたような形で献体や実験に協力している人達がいることもあります。