[ノーベル平和賞]オスロで授賞式 劉暁波氏は参加できず
2010年12月11日00時33分
提供:毎日新聞
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【オスロ樋口直樹】中国で収監されている民主活動家、劉暁波氏(54)へのノーベル平和賞授賞式が10日、ノルウェーのオスロ市庁舎で開かれた。北京で自宅軟禁下にある妻、劉霞さんも式典に参加できず、金メダルなどの授与は見送られた。受賞者と親族が不在の授賞式は、1935年の受賞者でナチス政権の収容所にいたドイツ人平和活動家、カール・フォン・オシエツキー氏以来75年ぶり。
授賞式会場の演壇脇には、中国・遼寧省の刑務所で服役している劉氏の顔写真が掲げられた。ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長の隣には劉氏のために椅子も用意され、メダルと賞状が置かれた。委員長は演説で「劉氏は市民の権利を行使しただけで何も間違ったことはしていない。彼は釈放されなければならない」と述べるなど、中国政府に強烈なメッセージを送った。
劉氏は、08年12月に発表された中国の民主化を求める宣言文「08憲章」の起案を主導。今年2月、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の刑が確定した。
委員長の演説に続き、ノルウェーを代表する女優リブ・ウルマンさんが劉氏に代わり、、09年12月の裁判で劉氏が陳述した「私に敵はいない」と題する文章を読み上げた。劉氏はこの中で「言論の自由を押し殺すことは、人間らしさの息の根を止めることだ」と訴えていた。
最後にノルウェー国立オペラ座の児童合唱団が歌声を披露。獄中の劉氏が妻・劉霞さんを通じて平和賞委員会に希望を伝えていた。
授賞式には65カ国が招待されたが、当日まで出欠を明らかにしない国もあり、平和賞委員会も把握にてこずる状況だった。最終的に欧米を中心に48カ国が出席したものの、中国やロシアなど17カ国が欠席する異例の事態となった。「中国の法律に違反した犯罪者への平和賞の授与は、中国への内政干渉である」と主張する中国は、各国政府に授賞式への出席を控えるよう圧力をかけてきた。
一方、式典には、89年の天安門事件につながる民主化要求運動を指導した方励之氏ら多数の在外民主活動家が参加した。劉霞さんは当初、国内の活動家を中心に授賞式の招待者リストを作成したが、多くが当局の監視下に置かれるなどしたため、在外者中心の参加となった。
政治的理由で受賞者が授賞式に出席できなかったのは、オシエツキー氏をはじめ、ソ連(当時)の物理学者サハロフ氏(75年)▽ポーランドの自主管理労組「連帯」を率いたワレサ氏(83年)▽ミャンマーの民主化運動指導者のアウンサンスーチー氏(91年)に続いて5回目。
◇「私に敵はいない」の要旨
授賞式で読み上げられた劉暁波氏の文書「私に敵はいない」の要旨は次の通り。
□
(天安門事件があった)89年6月は私の人生で大きな転機だった。これまで自分に課したことは、人間としても作家としても正直さや責任感、また尊厳を持った人生を送ることだった。
(事件から)20年以上が過ぎたが、犠牲者の霊はまだ生き続けている。私の自由を奪った政権に言いたい。20年前のハンストで表明した「私には敵も憎しみもない」という信念は変わっていないと。私は最大の善意をもって政権の敵意に向き合う。
憎しみで人間の知性や良心を腐敗させることはできない。敵意は社会の寛容と人間性を封じ、自由と民主主義への道筋を妨げる。改革・開放は階級闘争という毛沢東時代の指針を捨て、経済発展と社会調和を目指すものだった。そのプロセスは敵意を無力なものにし、憎悪の哲学を排除することでもあった。そして、その敵意を弱めることは、政治分野においては、反体制派に対する迫害の減少など、これまでにないほど(政府の)寛容さにつながった。04年、憲法に人権の保障が盛り込まれ、それは人権が中国でも既に国の基本的な原則になったことを意味した。
授賞式会場の演壇脇には、中国・遼寧省の刑務所で服役している劉氏の顔写真が掲げられた。ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長の隣には劉氏のために椅子も用意され、メダルと賞状が置かれた。委員長は演説で「劉氏は市民の権利を行使しただけで何も間違ったことはしていない。彼は釈放されなければならない」と述べるなど、中国政府に強烈なメッセージを送った。
劉氏は、08年12月に発表された中国の民主化を求める宣言文「08憲章」の起案を主導。今年2月、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の刑が確定した。
委員長の演説に続き、ノルウェーを代表する女優リブ・ウルマンさんが劉氏に代わり、、09年12月の裁判で劉氏が陳述した「私に敵はいない」と題する文章を読み上げた。劉氏はこの中で「言論の自由を押し殺すことは、人間らしさの息の根を止めることだ」と訴えていた。
最後にノルウェー国立オペラ座の児童合唱団が歌声を披露。獄中の劉氏が妻・劉霞さんを通じて平和賞委員会に希望を伝えていた。
授賞式には65カ国が招待されたが、当日まで出欠を明らかにしない国もあり、平和賞委員会も把握にてこずる状況だった。最終的に欧米を中心に48カ国が出席したものの、中国やロシアなど17カ国が欠席する異例の事態となった。「中国の法律に違反した犯罪者への平和賞の授与は、中国への内政干渉である」と主張する中国は、各国政府に授賞式への出席を控えるよう圧力をかけてきた。
一方、式典には、89年の天安門事件につながる民主化要求運動を指導した方励之氏ら多数の在外民主活動家が参加した。劉霞さんは当初、国内の活動家を中心に授賞式の招待者リストを作成したが、多くが当局の監視下に置かれるなどしたため、在外者中心の参加となった。
政治的理由で受賞者が授賞式に出席できなかったのは、オシエツキー氏をはじめ、ソ連(当時)の物理学者サハロフ氏(75年)▽ポーランドの自主管理労組「連帯」を率いたワレサ氏(83年)▽ミャンマーの民主化運動指導者のアウンサンスーチー氏(91年)に続いて5回目。
◇「私に敵はいない」の要旨
授賞式で読み上げられた劉暁波氏の文書「私に敵はいない」の要旨は次の通り。
□
(天安門事件があった)89年6月は私の人生で大きな転機だった。これまで自分に課したことは、人間としても作家としても正直さや責任感、また尊厳を持った人生を送ることだった。
(事件から)20年以上が過ぎたが、犠牲者の霊はまだ生き続けている。私の自由を奪った政権に言いたい。20年前のハンストで表明した「私には敵も憎しみもない」という信念は変わっていないと。私は最大の善意をもって政権の敵意に向き合う。
憎しみで人間の知性や良心を腐敗させることはできない。敵意は社会の寛容と人間性を封じ、自由と民主主義への道筋を妨げる。改革・開放は階級闘争という毛沢東時代の指針を捨て、経済発展と社会調和を目指すものだった。そのプロセスは敵意を無力なものにし、憎悪の哲学を排除することでもあった。そして、その敵意を弱めることは、政治分野においては、反体制派に対する迫害の減少など、これまでにないほど(政府の)寛容さにつながった。04年、憲法に人権の保障が盛り込まれ、それは人権が中国でも既に国の基本的な原則になったことを意味した。
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