香川　夫を焼き殺した妻の正体

　浮気に気づいた夫を生きたまま焼き殺す――。こんな凄惨な事件が香川県で起きた。同県警が逮捕したのは、さぬき市の会社員の城寿人さん（３９）の妻・可奈子（２７）と、その愛人で専門学校生・高橋淳希（２１）の両容疑者。高橋は市内の専門学校で医療情報管理士の勉強をしている。

　可奈子は１０月３０日夜、「ラーメンを食べに行こう」と寿人さんを誘ってクルマに乗せ、睡眠鎮静剤入りのジュースを飲ませて市内の展望台に連れて行った。そこで眠っている寿人さんを車外に出し、高橋が頭などを十数回にわたってバットで殴ったうえ、クルマの中に押し込め、灯油をかけて火をつけ殺害したという。

「警察の調べでは火をつけるとき、寿人さんがまだ息をしていた可能性があるのです。さぬき市は殺人事件など一度も起きていないような平和な町。人を焼き殺す事件に市民は震え上がっています」（捜査事情通）

　可奈子は飲食店でホステスをしているときに寿人さんと出会い、店外デートで仲良くなって結婚した。寿人さんとの間に長男（７）と長女（４）をもうけている。

　殺害の原因は浮気の発覚だった。可奈子と高橋は約１年前、ソフトバレーボールの活動で知り合って深い関係になった。

　犯行の半月ほど前、寿人さんが可奈子の浮気に気づき、激しく詰問した。その時点でダンナの殺害を決意したようだ。

「最初は眠っている寿人さんを車内に閉じ込めて硫化水素を発生させて殺害しようとしたが、うまく発生しなかったため殴って火をつける方法に変えた。２人は１１月３日にも現場を訪れて再度火をつけており、“証拠隠滅のためだった”と供述しています。可奈子は死体が発見された当初、警察に“夫は仕事の悩みを抱えていた”と自殺をほのめかし、１１月７日の葬儀で泣きじゃくっていたというから大したタマです」（前出の事情通）

　サラリーマンにとって「明日はわが身」の事件だ。

（日刊ゲンダイ2010年12月8日掲載）