「盧武鉉政権による戦力削減は利敵行為に等しい」

西海5島の戦力を5分の1に、「盧武鉉式」の国防計画

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は2005年9月、「国防改革2020」を発表した。改革案には、韓国軍の戦力を68万人(当時)から20年までに50万人に削減し、西海5島(西海〈黄海〉沖の北方限界線〈NLL〉近くにある五つの島)に配備されている海兵隊4000人を、大隊よりやや小さい規模(約300-400人)に縮小する方針が盛り込まれた。海兵隊戦力の削減案は、ペンニョン島と延坪島に配備された第6旅団と延坪部隊の大幅な縮小が軸となっていた。

 当時、軍の内外では「西海のNLL付近に北朝鮮の軍事的脅威が常に存在する状況で、海兵隊の戦力を無理に削減することは、国家安全保障に深刻な危機をもたらす可能性がある」との批判が支配的だった。だが盧武鉉政権は、西海を南北共同の「平和の海」とすることを目指し、西海5島の戦力削減を続けてきた。05年に約160人、06年に約40人、08年には約160人など、計約360人の海兵隊戦力を削減した。

 海兵隊戦略研究所のイ・ジョンユン所長は、「北朝鮮は西海のNLLを無力化し、西海5島を紛争地域にしようと絶えず武力挑発を行ってきたが、韓国の海兵隊戦力は北朝鮮軍に比べ、絶対的に劣勢だった。盧武鉉政権による西海5島の海兵隊戦力の削減は、同地域を北朝鮮に譲り渡そうという利敵行為だった」と指摘した。

 西海5島に対する防衛意識が弱まる一方、北朝鮮は同地域に対する挑発を次第にエスカレートさせ、今年3月に哨戒艦「天安」を沈没させたのに続き、先月には延坪島に無差別の奇襲攻撃を加えた。

 韓国政府は延坪島砲撃事件を機に、海兵隊戦力の削減計画を白紙撤回し、西海5島に展開する軍の戦力を大幅に増強する方針を固めた。政府の関係者は、「海兵隊を国家戦略機動軍へと発展させ、北朝鮮が全面的に挑発してきた場合、海兵隊を投入して強力な報復打撃を加えることを検討している」と語った。

アン・ジュンホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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