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分裂“秒読み” 岡田氏「離党カード」に含み 小沢系も防戦 (1/2ページ)
民主党の小沢一郎元代表の国会招致をめぐる党内抗争が激化している。13日の役員会で小沢氏の国会招致の流れを確定させたい岡田克也幹事長は10日、「離党勧告カード」までもちらつかせ始めた。小沢氏に近い政務三役は岡田氏がこれ以上強行すれば、集団辞任も辞さない。かつ12日の茨城県議選で民主党が大敗すれば、一気に執行部を追い込む構えを見せる。「もはや落としどころはない」と嘆くベテラン議員。党分裂はカウントダウンが始まった。(今堀守通、坂井広志)
「週末まで待っても小沢氏が政倫審出席を申し出てこなければ、役員会で取り上げます…」
10日午前、岡田氏は渡部恒三党最高顧問を訪ね、こう語った。13日の党役員会で衆院政治倫理審査会で小沢氏の出席を議決する方針を提起する。この決意は揺るぎない。
「小沢氏がそれでも応じなければ…」
岡田氏はここで口ごもったが、離党勧告が念頭にあるのは明らか。そう読み取った渡部氏は「何も心配することはない。思い切ってやれ。国会に出る方が小沢君にとってもいいんだ」と背中を押した。
菅直人首相も腹を固めつつある。10日夜、首相官邸で記者団に「岡田氏が進めていることは報告を受けているし、了解している」と語った。
小沢氏に近い衆院1年生グループ「北辰会」13人は党本部で岡田氏に「司法の場に移っている小沢氏の問題を取り上げ、党内を乱すのはよくない」と訴え、一致結束を求めた。だが、岡田氏は「司法の場と政治的説明責任は違う。選挙もあるからやらざるを得ない」とにべもなかった。
国会閉会後、岡田氏が一気に強気に転じたのはなぜか。周辺は「小沢氏が離党してもついていくのは30人もいないと踏んだからではないか」とみる。別の中堅は「こっちは衆院で過半数を確保できればプラス1だろうがプラス50だろうが、どちらでもいい。仮に党を出ていっても解散を打てば、選挙に弱い小沢系はおしまいだ」と息巻く。