小沢氏招致なら集団辞任 党分裂カウントダウン
産経新聞 12月11日(土)7時57分配信
【激突ふたたび】
民主党の小沢一郎元代表の国会招致をめぐる党内抗争が激化している。13日の役員会で小沢氏の国会招致の流れを確定させたい岡田克也幹事長は10日、「離党勧告カード」までもちらつかせ始めた。小沢氏に近い政務三役は岡田氏がこれ以上強行すれば、集団辞任も辞さない。かつ12日の茨城県議選で民主党が大敗すれば、一気に執行部を追い込む構えを見せる。「もはや落としどころはない」と嘆くベテラン議員。党分裂はカウントダウンが始まった。
◆岡田氏、離党勧告決意
「週末まで待っても小沢氏が政倫審出席を申し出てこなければ、役員会で取り上げます…」
10日午前、岡田氏は渡部恒三党最高顧問を訪ね、こう語った。13日の党役員会で衆院政治倫理審査会で小沢氏の出席を議決する方針を提起する。この決意は揺るぎない。
≪「小沢氏がそれでも応じなければ…」≫
岡田氏はここで口ごもったが、離党勧告が念頭にあるのは明らか。そう読み取った渡部氏は「何も心配することはない。思い切ってやれ。国会に出る方が小沢君にとってもいいんだ」と背中を押した。
菅直人首相も腹を固めつつある。10日夜、首相官邸で記者団に「岡田氏が進めていることは報告を受けているし、了解している」と語った。
◆政務三役「辞表作った」
小沢氏に近い衆院1年生グループ「北辰会」13人は党本部で岡田氏に「司法の場に移っている小沢氏の問題を取り上げ、党内を乱すのはよくない」と訴え、一致結束を求めた。だが、岡田氏は「司法の場と政治的説明責任は違う。選挙もあるからやらざるを得ない」とにべもなかった。
国会閉会後、岡田氏が一気に強気に転じたのはなぜか。周辺は「小沢氏が離党してもついていくのは30人もいないと踏んだからではないか」とみる。別の中堅は「こっちは衆院で過半数を確保できればプラス1だろうがプラス50だろうが、どちらでもいい。仮に党を出ていっても解散を打てば、選挙に弱い小沢系はおしまいだ」と息巻く。
小沢氏サイドも黙っていない。小沢氏側近の高嶋良充元参院幹事長(今夏引退)は10日、国会内で輿石東参院議員会長に怒りをぶちまけた。
「小沢氏を国会に引っ張り出すのは暴挙だ。北朝鮮とかわらない!」
小沢氏が国会招致されれば小沢系の政務三役が集団辞任し、内閣は機能不全に陥る。ある政務官は「すでに辞表は作った。親方(小沢氏)がうんと言えば…」と明かした。
◆分裂見据えて徹底抗戦
分裂が現実味を増す中、小沢氏は10日、都内で脳科学者の茂木健一郎氏と対談し、「政倫審は事件にならないものを扱うところ。私の問題は法廷の場に移っている」と徹底抗戦を宣言。夜には、東京・赤坂のしゃぶしゃぶ店で、岩手県の達増拓也知事や県議らと2時間近く会食した。
「民主党が勝てばいいんだが…」。小沢氏はおもむろに茨城県議選に話題を振った後、こう断じた。
≪「結果が最大の関心事だ」≫
県議選で民主党が大敗すれば、小沢氏に近い議員は両院議員総会の開催を求める構え。そこで問責決議を可決された仙谷由人官房長官の更迭要求が出るのは確実だ。首相の退陣を求める動議が提出されることも十分ありえる。
両院議員総会より前に国会招致への外堀を埋められたらどうなるか。もはや小沢氏は新党に活路を見いだすほか道はなくなるはずだが…。(今堀守通、坂井広志)
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民主党の小沢一郎元代表の国会招致をめぐる党内抗争が激化している。13日の役員会で小沢氏の国会招致の流れを確定させたい岡田克也幹事長は10日、「離党勧告カード」までもちらつかせ始めた。小沢氏に近い政務三役は岡田氏がこれ以上強行すれば、集団辞任も辞さない。かつ12日の茨城県議選で民主党が大敗すれば、一気に執行部を追い込む構えを見せる。「もはや落としどころはない」と嘆くベテラン議員。党分裂はカウントダウンが始まった。
◆岡田氏、離党勧告決意
「週末まで待っても小沢氏が政倫審出席を申し出てこなければ、役員会で取り上げます…」
10日午前、岡田氏は渡部恒三党最高顧問を訪ね、こう語った。13日の党役員会で衆院政治倫理審査会で小沢氏の出席を議決する方針を提起する。この決意は揺るぎない。
≪「小沢氏がそれでも応じなければ…」≫
岡田氏はここで口ごもったが、離党勧告が念頭にあるのは明らか。そう読み取った渡部氏は「何も心配することはない。思い切ってやれ。国会に出る方が小沢君にとってもいいんだ」と背中を押した。
菅直人首相も腹を固めつつある。10日夜、首相官邸で記者団に「岡田氏が進めていることは報告を受けているし、了解している」と語った。
◆政務三役「辞表作った」
小沢氏に近い衆院1年生グループ「北辰会」13人は党本部で岡田氏に「司法の場に移っている小沢氏の問題を取り上げ、党内を乱すのはよくない」と訴え、一致結束を求めた。だが、岡田氏は「司法の場と政治的説明責任は違う。選挙もあるからやらざるを得ない」とにべもなかった。
国会閉会後、岡田氏が一気に強気に転じたのはなぜか。周辺は「小沢氏が離党してもついていくのは30人もいないと踏んだからではないか」とみる。別の中堅は「こっちは衆院で過半数を確保できればプラス1だろうがプラス50だろうが、どちらでもいい。仮に党を出ていっても解散を打てば、選挙に弱い小沢系はおしまいだ」と息巻く。
小沢氏サイドも黙っていない。小沢氏側近の高嶋良充元参院幹事長(今夏引退)は10日、国会内で輿石東参院議員会長に怒りをぶちまけた。
「小沢氏を国会に引っ張り出すのは暴挙だ。北朝鮮とかわらない!」
小沢氏が国会招致されれば小沢系の政務三役が集団辞任し、内閣は機能不全に陥る。ある政務官は「すでに辞表は作った。親方(小沢氏)がうんと言えば…」と明かした。
◆分裂見据えて徹底抗戦
分裂が現実味を増す中、小沢氏は10日、都内で脳科学者の茂木健一郎氏と対談し、「政倫審は事件にならないものを扱うところ。私の問題は法廷の場に移っている」と徹底抗戦を宣言。夜には、東京・赤坂のしゃぶしゃぶ店で、岩手県の達増拓也知事や県議らと2時間近く会食した。
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≪「結果が最大の関心事だ」≫
県議選で民主党が大敗すれば、小沢氏に近い議員は両院議員総会の開催を求める構え。そこで問責決議を可決された仙谷由人官房長官の更迭要求が出るのは確実だ。首相の退陣を求める動議が提出されることも十分ありえる。
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最終更新:12月11日(土)7時57分
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