金正日体制に亀裂? 内部統制力を喪失か(上)

韓米日外交当局「北朝鮮が軌道から外れた可能性あり」

 延坪島が砲撃されてから、李明博(イ・ミョンバク)大統領は北朝鮮で変化が起こっている可能性について何度も口にしている。今月6日に行われた韓米日外相会談を前後したころから、3カ国の外交当局者らも北朝鮮が内部統制力を失い、軌道を外れた可能性について意見を交換していたことが、10日までに分かった。

韓米日「北朝鮮が軌道から外れた可能性あり」

 李大統領は9日、訪問先のマレーシアで開催された同胞懇談会で、「北朝鮮の住民も、今では世界がどのように変化しているかを知っている」「統一が近づいている」などと述べた。李大統領は3日に社会統合委員会の定例会議に出席した際にも、「北朝鮮で肯定的な変化が起こっている。注目すべきは指導者たちの変化よりも、住民たちの変化だ」と語った。李大統領はこの二つの発言で、北朝鮮の指導層と住民を区分し、「これまで国民の変化に反対する、いかなる権力も存在し得なかった」と強調した。

 韓国政府の外交・安全保障当局者も最近、6カ国協議を通じて核問題の解決を目指すことの限界を指摘し、「北朝鮮内部の動きに注目すべきだ」との声を出し始めた。大統領府(青瓦台)関係者は、「大統領の発言は、北朝鮮での最近の動きについて言及したというよりも、今は南北関係が行き詰まっているように見えても、長い目で見れば北朝鮮住民も変化しており、楽観的に考えてもよいという意味だ」と説明した。

 しかし最近、韓米日3カ国は、「北朝鮮の権力は本当に軌道から外れているのか」という点について、実際に意見を交換している。韓国政府のある高官は、「哨戒艦『天安』沈没→ウラン濃縮→延坪島砲撃と続く北朝鮮の挑発行為から、北朝鮮の行動パターンが以前とは変わったと見るべきではないか、という意見が3カ国から出ている」「延坪島砲撃を“新たな挑発行為と見るべき”という見解もあったが、“最近の韓半島(朝鮮半島)情勢が新たな段階に入ったことを示す事件”という見方も決して少なくなかった」と述べた。この「新たな段階」について、この政府高官は、「(北朝鮮内部で)統制が効かなくなったこと意味する」とし、「軌道から外れた」という見方は、主に米国によって取り上げられたという。

 過去の北朝鮮によるパターンは、挑発によって緊張を高めた上で、6カ国協議や米国との直接対話に乗り出し、物質的な見返りや政治的名分を手にするというものだった。その後、見返りが減ってくると、再び挑発行為を引き起こした。いわゆる「交渉力」を高めるために、挑発と対話攻勢を適切に使い分けたのだ。

光を失った地。北朝鮮では電力難がさらに深刻に。夜になると韓半島(朝鮮半島)北側の北朝鮮では、光がほとんどない暗黒となっている。今年10月末、米国海軍研究所(NRL)が撮影した韓半島衛星写真によると、暗黒の北朝鮮は光が多い韓国と非常に対照的だ。北朝鮮当局は電力を確保するため努力を重ねているが、電力難はますます深刻な状況となっている。/写真提供=米海軍研究所

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る