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無理難題ばかり…民主、国民新、社民の予算協議は難航必至
与党の民主党、国民新党と野党の社民党は10日、平成23年度予算編成をめぐって断続的に協議した。この中で国民新党はデフレ脱却のため建設国債や無利子国債の発行による積極的な財政出動を提案。社民党は法人減税に反対したほか、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の削減など防衛予算の見直しを求めた。菅政権にとっては“無理難題”といえる内容ばかりで、最終局面を迎えた予算編成や税制改正が迷走する可能性が高まった。
政府・民主党の方針を真正面から否定したのが社民党だ。菅直人首相が検討を指示し、平成23年度税制改正の最大の焦点となった大企業の法人税率の引き下げについては「企業が内部留保を積み上げるための減税はやめるべきだ」(又市征治副党首)と切って捨て、地方交付税の特別加算の廃止を目指す財務省の方針に対しても異議を唱えた。
防衛予算も同様。思いやり予算以外でも米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古地区への移転に関し、すべての予算計上を見送るよう求めた。
民主党は、参院で否決された法案を衆院で再可決できる「3分の2」の勢力確保を念頭に社民党との連携強化を打ち出しているものの、法人減税や国防に関わる予算編成方針を覆すのは難しいとみられる。
一方、国民新党は従来通り積極財政を求めた。政府が財政健全化計画で約71兆円以下と定めた一般歳出の大枠についても「積極的な景気対策が必要であり、71兆円にこだわるべきではない」(亀井亜紀子政調会長)とした。
政府は71兆円の大枠をベースに23年度予算の一般会計総額を22年度並みの92兆〜93兆円とすることで調整に入っている。政府側の桜井充財務副大臣も「71兆円の大枠を覆すことは応じられない」との姿勢で、週明けの再協議ももつれる可能性がある。