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【記者ノート】内弁慶の巨人打線 低反発球の導入で迫られる体質改善 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:巨人
本塁打が最大の得点源で、細かい野球が不得手の巨人は、本塁打が出にくい東京ドーム以外でよく負けた。とくに中日の本拠地である広いナゴヤドームではまったく歯が立たず、7月以降に9連敗を喫した。この間の本塁打は計7本で、1試合あたりの平均得点は1.33点。最大の得点パターンを奪われ、「打てないね」とうなだれる原監督を何度も見た。
来季以降の巨人は、別の“敵”にも対応しなくてはいけない。新たに導入されるミズノ社製の統一球は、従来の球より飛ばないといわれる。コルクのしんを覆うゴムに低反発素材を使った結果、球速144キロ、スイング速度126キロ、飛び出し角度27度で打ち返した場合、現在のミズノ社製の球より飛距離が約1メートル縮まったという。
11月13日に東京ドームで行われた日韓クラブチャンピオンシップでは、統一球が使用された。本塁打を放ったロッテの今江は「しんでとらえると、いつもより飛んでいく。しんを外すといつもより重い感じがした」との印象を述べている。
飛ばないと評判の新たな統一球が導入される来季以降、東京ドームでも得意の本塁打攻勢を封じられるようだと、巨人は大変な事態に直面する。しかし、力ない飛球が次々にスタンドへ飛び込む異様な光景がなくなるのは、プロ野球にとってプラスになると思う。何かと注目を集める巨人だからこそ、東京ドームにおける極度の本塁打依存症から脱却し、走攻守にバランスの取れた好チームに生まれ変わってもらいたい。(奥山次郎)