宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日、金星を回る軌道に入れなかった探査機「あかつき」の失敗原因の解明に向け、異常が見つかった主力エンジンの噴射を地上で再現する実験をすると発表した。原因によっては、再突入の機会が来る6年後も金星にたどり着くのが難しくなる。
燃料を送り込むヘリウムガスの配管に不具合が起きた恐れがあるという。燃料タンクの圧力がだんだん下がり、燃料が十分に出なかったことがこれまでの解析で判明。この結果、燃焼時に混ぜる酸化剤が多くなり、エンジンが想定以上の高温にさらされたとみている。
中村正人あかつきプロジェクトマネージャは10日の記者会見で「燃料と酸化剤の割合を変えて、どのように燃焼するかを地上で模擬実験したい」と述べた。
あかつきは7日、逆噴射でブレーキをかけ、金星の周りを回る軌道に入る計画だったが、途中で姿勢を崩して燃焼が停止し、金星を通り過ぎた。
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