お母さんのための
日経新聞入門講座
VOL003-利益 98/MAR/7 朝刊11面 企業財務面を読もう1
そろそろ3月決算時期になりますね。3月決算会社は大変数が多いので、決算修正発表もまだまだ続くでしょうし、4月の初旬以降、5月中旬くらいまでは決算発表のラッシュとなります。
例えば、7日の紙面でも「経常利益」、「税引き利益」、「営業利益」などの単語が並んでますね。それぞれ、どういう意味なのかについて取り上げてみましょ。
算数的に説明してみれば、
売上高−売上原価=「売上総利益」
「売上総利益」−販売費及び一般管理費=「営業利益」
「営業利益」+営業外収益−営業外費用=「経常利益」
「経常利益」+特別利益−特別損失=「税引前当期純利益」
「税引前当期純利益」−法人税等=「当期純利益」
そうなんです、一口に利益と言ってもこれだけいろいろあるんです。でも、お母さんの場合、「経常利益」と「当期純利益」を注目しておけばいいと思います。では、まず「当期純利益」の意味を考えてみましょう。これは上の算式から見てもわかるように、売上高から様々なものを差し引きした結果です。つまり、その企業の1年間の最終的な儲けを示しています。結局いくら儲かったのか、ということがわかるのが、「当期純利益」です。
ではもう一つの「経常利益」の意味を考えてみましょう。その名の通り、経常的な利益を示す、つまり、企業が通常の経営を行った結果を示すものなんです。特別損益(特別利益と特別損失の総称)や法人税等は臨時的なものなど、企業の1年間の正常な業績に関わるものではないため、これらを除外した「経常利益」でその業績の指標としているのです。
企業の決算内容の把握のためには、最終的な結果を示す「当期純利益」と正常な業績を示す「経常利益」とが重要な指標となってます。
なお、「経常利益」がマイナスの場合は「経常損失」、「当期純利益」がマイナスの場合は「当期純損失」となります。「経常損益」となっている場合は、「経常利益」と「経常損失」との総称です。
日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/