2010年11月25日13時9分
北朝鮮による韓国砲撃をめぐり、衆院予算委員会は25日、集中審議を開いた。菅直人首相は、政府見解の公表が砲撃事件発生から約7時間後になったことを問われたが、「迅速な対応がしっかりとれた」と説明。北朝鮮に対しては「常に瀬戸際の行動を取ることで何らかの見返りを得たが、約束は守ってこなかった。厳しい姿勢で臨まざるを得ない」と述べた。北神圭朗氏(民主)の質問に答えた。
首相は答弁で、事件のあった23日の行動を振り返った。首相公邸にいた午後3時半に秘書官から一報を受け、「すぐにテレビをつけた。韓国の正式な発表は6時ごろだったが、我が国はいろいろな情報網を持っており、そうした情報網から入ってきたことが私に伝わった」と語った。午後5時25分ごろ宮中行事のため皇居に向かい、8時半に官邸に戻った後、8時45分から関係閣僚会議を開催したと説明。一連の対応を「迅速」と評価した。
一方、小野寺五典氏(自民)は23日午後4時過ぎから約40分間、首相が公邸で民主党の斎藤勁国対委員長代理と会っていたことを取り上げ、「北朝鮮が韓国を砲撃し大変な状況になっている時に、民主党を守るために国会対策をしていた」と批判した。首相は「全く間違っている。(斎藤氏の来訪は)もともと予定されていた。多くはこの(砲撃事件の)話題で終始した」と釈明した。
小野寺氏はまた、報道によると、政府・民主党内から、砲撃事件が民主党の国会運営に「神風となった」との発言が出ている、と指摘した。首相は「私はそういった考え方を全く持っていない」と強調した。