過激な性的描写がある漫画の販売規制を強化する東京都青少年健全育成条例の改正案について、都議会最大会派の民主は10日、賛否を決める総会を開き、結論を会派執行部に一任した。執行部は「表現の規制ではないことを確認できた」として賛成する方針のため、15日の定例都議会最終日で民主、自民、公明の賛成多数で成立することが確定的になった。表現の自由への悪影響を懸念する声が根強いことから、賛成する会派は付帯決議で配慮する方針。
改正案には出版業界や日本弁護士連合会などから反対表明が相次いでいる。民主の総会でも条例改正への反対意見が出た。こうした状況から付帯決議する案が浮上。創作活動を尊重することや、慎重な運用を求める趣旨を盛り込むことで最終調整されている。
改正案は11年7月1日施行の予定。強姦(ごうかん)などの刑罰法規に触れる性的行為などを「不当に賛美・誇張」した漫画やアニメの描写を18歳未満に販売することを規制する。【石川隆宣、田村彰子】
毎日新聞 2010年12月11日 2時30分