貯蓄銀行8行が破たん危機、金融委が分析
金融委員会は8日、貯蓄銀行8行が来年も不良債権化した不動産プロジェクト融資の整理を行わずに放置した場合、破たん危機を迎える可能性があるとし、貯蓄銀行の財務体質に懸念を示した。
金融委と国会政務委員会によると、金融委が韓国国内の貯蓄銀行105行の財務資料に基づきストレステストを実施した結果、貯蓄銀行の国際決済銀行(BIS)基準自己資本比率は、今年9月末時点の9.4%から来年末には3.6-6.3%に低下するとみられることが分かった。自己資本比率は金融機関の財務健全性を判断する基準で、貯蓄銀行の場合は、5%を下回れば「経営改善勧告」、3%を下回れば「経営改善要求」、1%未満となれば、営業停止処分の「経営改善命令」を受けることになる。
金融委による分析の結果、現在破たんの危機に直面している貯蓄銀行は3行で、資産は合計で4兆3000億ウォン(約3160億円)に達する。また、来年になると、5行がさらに破たん危機を迎える可能性があることが判明した。貯蓄銀行の健全性が悪化するとみられるのは、建設業の景気見通しが不透明なためだ。貯蓄銀行が保有する不動産プロジェクト融資債権は、今年6月末時点で11兆9000億ウォン(約8740億円)に達する。金融委関係者は「ストレステストは、貯蓄銀行がいかなる措置も取らずに放置した最悪の場合を仮定したものだ」と説明した。
財テク専門家は「貯蓄銀行に預金する際には、各行の自己資本比率、3カ月以上の延滞債権比率を検討することが重要だ」とアドバイスした。自己資本比率が8%以上、3カ月以上の延滞債権比率が8%未満の貯蓄銀行は経営状況が健全と見なせる。また、貯蓄銀行が破綻しても、預金者保護法により、預金保護対象となっている金融商品は、元利合計で5000万ウォン(約370万円)まで保護の対象となる。
ユン・イェナ朝鮮経済i記者