【専欄コラム】日中でもめごとの種も…技術は人類の共有財産 (1/2ページ)

2010.12.10 05:00

 多様化社会において技術に関する認識はさまざまである。元来、技術とはわれわれの生活を向上させ、社会を発展させるものだ。

 目に見えて生活を向上させ、社会発展させる力を持つ技術であるがゆえに、金銭が絡み、日本と中国の間ではしばしばもめごとの種となる。

 技術の流出に多くの日本人は心配する。技術が流出すると、国益が損なわれる、日本が損をすると考えてしまうからだ。ある意味では正しい考えだが、大きな目で見ると、狭い考えでしかない。

 では、広い視野で日本技術の流出をとらえると、どうなるか。

 それは、技術を人類の共有財産と考えるべきなのだ。日本の技術が中国や外国へと流出し、後世に受け継がれていくことは悪いことではない。

 たとえ日本以外の国であっても、技術が活用されるならば、喜ばしいことではないだろうか。

 美術品を見るとよく分かる。実は、中国の古い美術品がたくさん日本にある。もし仮にこれらの美術品が中国にあったとしよう。次々と変わる国家体制の下で壊され、今ごろは影も形もない。が、日本にあったからこそ、今なお見ることができる。

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