米の7つの州では「オーラルセックス」禁止で女子学生激怒

　おぐにあやこ氏は1966年大阪生まれ。元毎日新聞記者。夫の転勤を機に退社し、07年夏より夫、小学生の息子と共にワシントンDC郊外に在住。著者に『ベイビーパッカーでいこう！』『魂の声 リストカットの少女たち』などがある。おぐに氏がこう指摘する。

　＊　＊　＊

　近所のコミュニティカレッジで一番人気のセンバー先生（政治学）から、こんな授業を受けた。「僕らの住んでるメリーランド州では、オーラルセックスは違法なんだよ」。おいおい、ここはアメリカ。自由の国じゃなかったの？

　若い学生たちも、みんなびっくり仰天だ。「公衆の面前ならともかく、どうして自分のベッドルームでもダメなのよっ！」と怒り出す女子学生もいれば、「逮捕されたり、罰金取られたりしたらどうしよう……」と不安顔の男子学生も。

　センバー先生は笑いながら、「いやいや、大昔に作られた古い法律だからねえ。もはや適用されることもない。アメリカには、時代遅れになっても廃止されず、形骸化したまま法律書にだけ残っている、奇妙な法律が山ほどあるんだよ」。

　その典型例が、「オーラルセックス」ってわけだ。ほかにも、同棲禁止法はアメリカの７つの州でまだ廃止されていない。今や若者の過半数が同棲を経験するっていう時代なのにねえ。

※週刊ポスト2010年12月17日号