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WBC落選男が“ゲキ白”…精神論に振り回されるな!

初代世界戦士、西岡&里崎

 侍ジャパンにモノ申す−。WBC日本代表からまさかの“落選”を食らい号泣した男、ロッテの西岡剛内野手(24)と、同じくロッテの里崎智也捕手(32)。2006年の第1回WBCで王ジャパンを世界一に導く原動力となった2人が、今大会第1ラウンドで韓国に敗れての屈辱の2位通過をうけ、その胸の内をそれぞれ激白した。

 西岡の日の丸に対する思い入れは人一倍だ。10日のオープン戦(横浜戦)後、報道陣から前夜の韓国戦(WBC第1ラウンドA組1、2位決定戦)敗戦の話題を振られると、抑えていた思いがほとばしった。

 「チラチラとしか見ていませんでしたよ。ずっと見ていると(代表から漏れた悔しさで)ムカついてくるから」と強がるそばから、「自分だったらこうした、こういうプレーをしたかった、とイメージしながら見ていた」と本音を漏らした。

 そして、0−1という最少得点差の試合だったにもかかわらず、「途中で、負けたと思いましたよ」とキッパリ。記者が「いったいどのあたりで?」とツッコミを入れると、「それは言えない。それを言ったらやばいでしょ」といったん口をつぐみかけたが、ポロッと「8回くらい」と明かした。

 8回といえば…1点を追って迎えた1死一塁で、打者の中島が送りバントを決めた。一塁走者のイチローに盗塁させる手もあったし、器用な中島なら右打ち、エンドラン、なんでもござれだった。あまりに手堅く、みすみす勢いをそいだ原采配に、球界内外から疑問の声が上がっているイニングである。

 西岡といえば、とにかく国際試合に強い。06年の第1回WBCで全8試合に出場し打率.355、2本塁打、8打点(チーム2位)、5盗塁(同トップ)。昨夏の北京五輪ではチーム断トツの打率.455をマークした。

 西岡自身がWBCに向けても「自分が代表に選ばれないはずがない」と公言し、落選が伝えられて「号泣した」というのも無理はない。侍ジャパンに右打者不足が指摘されるにつけ、両打ちで、守備も二塁、遊撃の両方で抜群の実力を見せる西岡を原監督はなぜ選出しなかったのか、確たる理由は依然見えていない。

 もっとも本人が「優勝して帰ってきてほしい。自分は次のWBCこそ日本代表に選ばれたいという気持ちをバネに、野球人としての成長につなげたい」といたって前向きなのが救いだ。

 一方、同僚の里崎も前回WBCでは打率.409、1本塁打と打棒を炸裂させ、捕手として大会ベストナインに輝いたほど。こちらは昨シーズン終盤に背筋を痛め、早々と代表辞退を表明した。

 その里崎の見方は実にシンプル。「勝ちゃあいいんです。北京五輪で『勝ちたい気持ちが足りないから負けた』と言う人がいるけれど、僕はそうは思わない。足りなかったのではない。結果的に負けたチームが『気持ちが足りなかった』ことにされてしまうだけです。前回WBCは結果的に優勝できたから、韓国に2度負けたことも、決勝でキューバに6点も取られた(10−6)ことも忘れられている。逆に結果が悪かったら、誰も過程なんか評価してくれない。誰かが叩かれることになるのが現実でしょう」と自らの経験を踏まえてバッサリ。

【最大勢力、前回のロッテに変わり巨人勢】

 前回大会では、イチローがひとりでチームと別の宿舎に宿泊したことで和が乱れかけた、あるいはロサンゼルスの焼き肉店での決起集会が効果的だったなどといわれているが、「関係ないです。プロなんだから、個々の選手が最大限の力を発揮するにはどうしたらいいかを考えればいい。例えていえば、富士山頂に登ろうという目的さえ同じなら、麓から歩いていく選手がいようが、5合目から行こうが、ヘリコプターで乗りつける選手がいたって構わない」。ここまで来て精神論や結果論にむやみに振り回されるな−というワケ。

 いずれにしても、世界大会で頼りになるずぶとさ、したたかさを持った2人だ。

 ちなみに世界一に輝いた前回大会では、所属球団別で最大勢力を誇ったのがロッテの8人(清水、小林宏、渡辺、藤田、薮田、里崎、西岡、今江)で、侍ジャパンに不足している中継ぎのスペシャリスト、右の強打者の名前がズラリ。巨人は上原1人だった。

 今大会では監督・コーチに3人を輩出している巨人が、選手でも5人の最大勢力を占め、ロッテは渡辺1人に激減した。ロッテ選手の分だけ世界一に届かなかった−なんて結果にならなければいいのだが…。

ZAKZAK 2009/03/11

浪人

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