海老蔵さん事件　２６歳男を逮捕　警視庁、傷害容疑で

　歌舞伎俳優の市川海老蔵（本名・堀越孝俊）さん（３３）が顔などに大けがを負った事件で、警視庁は１０日、傷害容疑で逮捕状を取っていた住所・職業不詳の伊藤リオン容疑者（２６）を逮捕した。

　捜査１課と目黒署によると、伊藤容疑者は１１月２５日未明ごろ、東京都港区西麻布２丁目のビル内で、海老蔵さんの頭や顔を拳で多数殴ったり足でけったりして、上あごの骨が折れるなど約６週間のけがを負わせた疑いがある。

　伊藤容疑者は調べに「殴ってしまったことに間違いない。細かいことはあとで気持ちを整理してから話す」と、容疑を認めているという。

　伊藤容疑者は１０日、関係者を通じて出頭すると警視庁に伝え、午後８時前、都内の路上で捜査員が接触。警視庁本部に任意同行して逮捕状を執行した後、目黒署に身柄が移された。

　海老蔵さんが７日に記者会見して説明したところでは、海老蔵さんは１１月２４日午後１１時半ごろから知人らと酒を飲んだ。翌２５日午前０時４０分ごろ解散した後、残った数人と西麻布２丁目のビルに移動。伊藤容疑者らのグループと一緒になり、このうちの「暴走族の元リーダー」と言う男性と２人だけで飲んだという。この後、伊藤容疑者から暴行されたとされる。

　海老蔵さんはこれまでの事情聴取に「一緒に酒を飲んでいて酔いつぶれた人を介抱していたら『お前が飲ませすぎたせいだ』と因縁をつけられ、１人から殴られた」と説明。ただ、会見で「何人かに殴られた可能性もある」とも述べた。

　海老蔵さんは１１月２８日に被害届を提出。警視庁は２９日に伊藤容疑者の逮捕状を取り、行方を追っていた。

　捜査関係者によると、伊藤容疑者は以前、暴走族のメンバーだった。サッカーＪ２の東京ヴェルディによると、下部組織のジュニアユース（中学生）とユース（高校生）に所属し、中心選手としてプレーしていたという。