大阪

　国の就職安定資金融資制度を悪用した詐欺事件で、府警生活経済課などは９日、大阪市北区の経営コンサル会社「ティーアンドティー」実質経営者の高柳博一被告（５９）＝詐欺罪で起訴＝ら４人を組織的犯罪処罰法違反（組織的詐欺）などの疑いで再逮捕したと発表した。

　逮捕容疑は、昨年４月、大阪市天王寺区のパチンコ店従業員の女（２９）＝有罪判決確定＝に失業して住居を失ったとする虚偽の書類をハローワークに提出させ、近畿労働金庫天王寺支店から約１７５万円を組織的にだまし取った、などとしている。

　同社は主催する経営セミナーを通して融資金の申請者を募り、昨年３～６月に申請があった１３人のうち６人分約１２００万円がだまし取られたという。

　一連の事件で、府警は計５８人を詐欺容疑などで検挙。同社以外にも二つの詐欺グループがあり、実際に詐取された総額は計１８件で約３１００万円にのぼるという。【渋江千春】