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家族3人殺害、22歳男に死刑=「動機極めて自己中心的」−裁判員裁判3例目・宮崎

2010年12月7日15時21分

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 生後5カ月の長男と妻、義母を殺害したとして、殺人などの罪に問われた無職奥本章寛被告(22)の裁判員裁判で、宮崎地裁(高原正良裁判長)は7日、「生活全てから逃れ、1人で自由になりたかったという動機は極めて自己中心的」とし、求刑通り死刑の判決を言い渡した。裁判員裁判では3例目で、3人が殺害された事件の判決は初。弁護人は「被告に控訴を勧める」としている。

 奥本被告は起訴内容を認めており、動機の認定や被害者が身内であることが量刑にどう影響するかが焦点だった。

 判決は動機について、奥本被告は義母から説教や叱責を受けたり、実家の両親や出身地を非難されたりして悔しいと感じたほか、家庭生活全般にストレスを募らせたと指摘。事件6日前の義母とのいさかいをきっかけに、「生活状況を清算し自由で1人になりたいと考え、3人の殺害を決意した」と認定した。

 さらに「義母の叱責は理不尽な内容も含まれ、同情の余地がないとは言えないが、被告の生活態度に原因があるものもある」と言及。妻や長男の殺害動機として何ら酌むべきものはなく、「量刑上大きく斟酌(しんしゃく)できない」とした。その上で、最高裁判決が1983年に死刑適用の基準として示した「永山基準」に沿って判断。「身勝手な動機から3人を殺害した結果はあまりに重大で社会的影響も大きい」と述べ、被告が若く更生可能性があるとしても、死刑を回避する決定的な事情にはならないとした。

 判決によると、奥本被告は今年3月、宮崎市の自宅で、長男雄登ちゃんと妻くみ子さん=当時(24)=、義母池上貴子さん=同(50)=を殺害。雄登ちゃんの遺体を近くの資材置き場に遺棄した。 

[時事通信社]

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