夏前哨戦、28校いざ 春季高校野球県大会 | 2008.5.21 | 第55回春季東北地区高校野球県大会は21日に大船渡市営球場で開会式を行い、翌22日から5日間、県内8地区の予選を勝ち抜いた28校が熱戦を繰り広げる。沿岸地域で開催される今年は大船渡市営球場、陸前高田市・高田松原球場、釜石市・平田公園球場、大槌町・大槌ふれあい運動公園球場の4会場を舞台に、春の県王座を争う。上位8校は夏の岩手大会シード権、上位3校は東北大会(6月12−16日、山形市ほか)の出場権が与えられる。出場校の戦力を紹介する。 盛岡地区 盛岡一は昨秋の10年ぶりとなる県大会出場に続き、8年ぶりの「春」。古豪復活に向けて菊池、多田の両右腕が鍵を握る。盛岡大附は190センチの長身左腕鴇田と最速144キロの右腕多田を擁する。走攻守そろった1番伊藤ら打線も強力だ。盛岡工は上位打線の振りが鋭く、3番中島健と4番太野が勝負強い。俊足強肩の外野手がそろい、変化球主体で打ち取る主戦藤原をもり立てる。盛岡中央は主戦品川、橋本に完投能力があり、遊撃手の佐々木雄を中心に守備も安定。逆方向に打つ攻撃で流れに乗りたい。盛岡四は「打ち勝つ野球」を目指す。主戦中屋は練習試合など41戦で282イニング投げて防御率2・46の大黒柱だ。盛岡市立は高橋孝、浦部、林崎のクリーンアップが強力。球威のある佐藤昭、制球力が光る菅原、中山とタイプの違う投手陣で勝負する。 花巻地区 花巻南は多田大、宍戸の二遊間など守備が堅い。上位打線は5番まで左打者が続き、盗塁や犠打を絡めて得点を狙う。花巻東は技巧派左腕の高橋駿がエース番号を背負い、最速149キロの本格派左腕菊池も控える盤石の投手陣。中村を核に左打者8人が並ぶ打線も強力だ。遠野は今春、投手から捕手に転向した佐々木光が攻守の要。打っても4番を務め、ミートのうまい3番菊池光とともにチームを引っ張る。 北奥地区 専大北上は昨夏の県大会3本塁打の主砲中井が主将。主戦大和田は140キロを超える速球派。投打ともに選手層が厚い。北上翔南は犠打で手堅く1点を奪う野球が身上。スピードのある右腕菊池公、右横手の田鎖渉らの継投で相手打線を抑える。黒沢尻北は三浦、野沢、阿部と左打者が続く1−3番の出塁率が鍵。エースで4番の長沢、長打力のある伊藤、高橋慶につなぎ得点を狙う。水沢工は主将池田が切り込み隊長で、3番千田和は地区予選で本塁打を放った。主戦及川喬は166センチと小柄だが、左腕で三振が取れる。金ケ崎は地区予選1試合で14盗塁18安打をマークした俊足巧打の切れ目ない打線。後藤涼、米内、村上の中軸に期待がかかる。 一関地区 花泉は主戦及川歩のほか、小岩、佐藤啓、小野寺大も完投できる。小野寺和、高橋、千葉要ら中軸の得点能力が高い。千厩は打たせて取る元柏が主戦。練習試合などで261イニングを投げ防御率1・83と安定感がある。打線はつなぐ打撃を徹底する。一関学院は今春の甲子園メンバーを押しのけ、川原が4番を任された。センバツで緩急自在の投球を見せた阿部航が背番号1をつける。 沿岸地区 釜石は今春、釜石北と釜石南が統合し初の県大会出場となる。主戦高橋は代表決定戦を含む2試合を投げ抜き2失点。主将古沢は捕手で4番を務める攻守の要だ。高田は右横手投げの三浦、左腕山田、右の高橋、荒木と投手陣が充実。主将を務める捕手河野が持ち味を引き出したい。住田は敗者復活戦を勝って代表の座をつかんだ。主将泉田将、水野健、皆川ら足のある選手がそろい、創立60周年の節目の年に快進撃を誓う。 沿岸北地区 宮古は二塁手の主将安江を中心に内外野とも堅実な守備が光る。地区予選3試合のチーム打率は4割6分4厘を誇る。宮古商は主戦清水、前川ら投手陣が地区予選2試合を無失点で乗り切った。打線は漆田、糠盛が中軸を打ち予選計23得点とつながりがある。宮古工はミート打撃を徹底した粘り強い攻撃が持ち味。主戦阿部はコーナーを投げ分けて、打たせて取りたい。 久慈地区 久慈はサヨナラスクイズで県大会に進出。地区予選は工藤が投げ抜いたが、けがで出遅れた主戦柏崎も巻き返しを期す。久慈東は敗者復活戦を含む計3試合で失点わずか2。球威のある中村、制球力で勝負する堀米が二枚看板だ。 二戸地区 福岡は福岡中時代に全国優勝を果たした2年生5人が先発メンバーに並ぶ。3番山内はチーム1のスラッガーで、下位打線も長打力がある。軽米は兼田が投打の柱。小林、藤沢ら俊足選手が多く、走塁から攻撃の流れを呼び込みたい。福岡工は延長13回、5点を奪う逆転サヨナラ勝ちで第3代表をつかんだ。主将合川、柴田悠に長打力があり、チームは思い切りのいい打撃と走塁を徹底する。 |